僕の脳は最強です

Q.
臨機応変さはジャンプ競技を長く続ける上でもすごい大切?

葛西:
はい。一番は対応力。何にでもすぐ対応して、自分で考えて、それを行動に移す、というのがすごい大事だと思う。多分、僕の脳はメチャクチャ早くいろんなことをガーッと考えている脳だと思うんですよね。チーム内で脳のトレーニングっていうのを取り入れてやってまして、後輩たちもみんなそのノウハウを測って、データを出して、『今こういうふうに考えてますね』とか『もっとこうしたら良くなりますよ』っていうアドバイスも貰いながら、脳トレーニングをしてて、僕ずっと頑なに断ってたんですよ。ずっとやってなかったんですけど。去年、初めて脳波を測ってもらって、後輩達は他の子の脳波もみて赤くなれば、いい脳波になってるみたいな後輩たちの脳波は黄色だったり、オレンジだったり、青でもうダメなっていうか、ちょっといろんなこと考えてたりとか、ストレスがあったりとか、そういうのが出るんすけど、なんと、僕の脳波は真っ赤になってたんですよ。もう最強の脳だったらしくて、脳波の先生も『こんな脳は今まで見たことない』て言わせてやりましたよ。「でしょ?」って言って、なので、僕の脳は最強です。

「僕の脳は最強です」衰えは感じない

Q.
脳も年齢によって衰えるがそこも感じない?

葛西:
感じないですね。いや、昔の方がもっと切れてたとは思いますけど、でもそんなに衰えはないですね。

2年後「金メダル取れるかもしれない。そういう期待はありますね」

Q.
オリンピックに掛ける想いは変わらない

葛西:
やっぱオリンピック出たいですね。ただなんですかね。もちろん調子よければ「自信持って出たい、出れる!」そういうふうになると思うんですけど、平昌冬季オリンピックの後、調子悪くなって、北京冬季オリンピック逃して、9回連続っていう偉業を達成できなかったのは悔しいですけど、そこで出られなかったとしても、次のオリンピックを目指して、もしかしたらそこに自分のいい絶好調が当たるかもしれない。当たらないかもしれないし。僕、今までずっと8回オリンピック出場した中で、絶好調の調子にリズムが合うか、合わないかなんですよね。一番最初の1992年は、V字になった年っていう新たな進化した年だったので、V字に変えてすぐ出たオリンピックだったので調子がまだ絶好調ではない。まあまあ、いいんだけど、調子が上がりそうで、オリンピックが過ぎてしまった。次のリレハンメルオリンピックでは調子は良かったんですけど、なんかうまくかみ合ってなかった、この頂点の手前ぐらいだったんすよね。「ああちょっとかすったかな」みたいな。そこから長野もあったけど怪我があったり、日本チームも調子よかったんですけどそこのメンバーに選ばれなかった。リズムの中に、ずっとうまくかみ合わなかったから、8回もかかったと思うんですよ。またリズムが次の2年後ですか…2年後のイタリアの(ミラノ・コルティナダンペッツォ冬季)オリンピックに“バチっ”て僕の調子がここに合えば、もしかしたら出れる。もしかしたら金メダル取れるかもしれない。そういう期待はありますね。そして、もし出られたら9回目。そして、ギネスの更新。そして、ドイツに女子のスケート選手がいて、そのスケート選手も8回出たんですよ、オリンピック。まだ現役なんですよ。その選手が次のイタリアオリンピックに出場したとして、僕も選ばれたとしたら、同じ9回のオリンピックで、何かお話したいなっていうそういう 思いはあるんですよね。ただどっちも負けたくないと思うんすよ。「9回出たぞ」っていうその偉業をどちらかが達成したいな、そういう競い合いもすごい面白いなと思ってるので、そこもモチベーションにはなってますね。