葛西紀明(51、かさい・のりあき、土屋ホーム)が4季ぶりとなる本戦出場で自身のギネス世界記録更新へ。FISジャンプワールドカップ札幌大会予選に挑んだ葛西は106mを飛び、予選を通過した。葛西は「まずは(本戦出場決め)ホッとしています。このワールドカップで活躍することでたくさんの方が 『葛西紀明頑張っているな』と応援してくれる。その期待に応えたいと思います。」と安堵のコメントをした。かたや今季ジャンプ週間総合優勝と波に乗る小林陵侑(27、こばやし・りょうゆう、チームROY)は125mで予選を通過。同じ舞台で戦う師匠に対しては「(ワールドカップに)戻って来ましたね。日本のみんなも応援していると思うし 僕も応援していますし、すごく楽しみです。」と期待を寄せた。
“小林陵侑を負かす”という51歳“レジェンド”の目標
衰え知らず51歳“レジェンド”に大会前、不屈のモチベーションの源泉を聞いた。
Q.
2月3日にTVh杯(@大倉山)での2年ぶりの優勝は50代で初めての勝利になった
葛西紀明:
なかなか、この年で勝つ事ができないじゃないですか…でも勝てて本当に嬉しいですし、まだまだ出来るなっと、そういう気持ちですね。
Q.
勝てなかった2年間は長かったか
葛西:
まあ、何年ですかね…ずっとここ3、4年ぐらい成績が出なくて悩んではいました。けれども、いつかは自分の調子が上がってくると信じて、焦らずやってたので、そんな長いという感じはなかったですね。…やっと、来たかなっていうそういう気持ちです。
Q.
久々の表彰台の頂点、要因は?
葛西:
多分出来なかった事が、また出来るようになってきたっていう形ですかね
Q.
まだ進化してる
葛西:
やっぱり進化しないと、この世界で戦っていけないんじゃないかなと思っているので。ちょっとずつ進化出来てるんじゃないかなと思います。
Q.
厳しい世界とわかっていながら悔しいと思う原動力は
葛西:
やっぱり悔しいと思うのは、自分がこれだけトレーニングしてきたぞっていう自信と、あと、自分がジャンプに対する能力というか、そういうのもひっくるめて自分がやっぱり調子よくならないと悔しいっていう気持ちは湧いてこないと思うんですよね。で、今まで調子は悪かったので、そんなに悔しい気持ちはなかったんですよね。「あー、また飛べないや」「だめだー」っていうそういう感じがずっと続いてて…今シーズン大分、調子も上がって来てて、“負けると悔しい”っていう気持ちが出てくるので、これって自分が調子よくないとこういう気持ちって出てこないんだって思ったんですね。なので今シーズンは、調子も上向きですし、そろそろ勝てるんじゃないか、そういう雰囲気もあったので、毎回試合に来るたびに自分に期待してやってやるぞという気持ちでいたんですね。優勝した時は、練習からも、トップの成績でしたので、そろそろ優勝するかなっていう、その期待がうまくかみ合って、優勝することができたので、めちゃくちゃ嬉しかったですね。
Q.
すごく悔しいという思いが生まれてきた中での優勝はさらなる自信に?
葛西:
自信には繋がってます。ただ、まだまだ、自分の中では、気になるポイントが数ヶ所あるので、これもう少し本数、練習の本数を重ねていかないと、このポイントはうまくクリアできないなっていうのと、やっぱりこういう考えながら、ジャンプを跳んでるっていうことは、まだまだワールドカップには通用しない。そう思ってます。
Q.
逆にまだ伸びしろはあると?
葛西:
そうですね。この問題が、ポイントがクリアできれば“ワールドカップには間違いなく返り咲ける”と思っているので、早くそのポイントを調整して、自分の完璧なジャンプに近づけて、そして、“小林陵侑を負かす”という、そういう目標を持ってやっていきます。














