「60超えてもやる…世界の人達が驚く顔が見たいですね」
Q.
競技を始めた頃、若い頃ってここまで続けられると思ってました?
葛西:
結構驚かすことが好きなので、60になっても飛んでる、葛西紀明ってなると、相当、日本国民の方が、みんな“おお”って、なると思うんですよね。もう日本国どころか世界の人たちが、すごいじゃないかと。そういう驚きが、間違いなくあると思うんで、60までやる。いや、60超えてもやるっていう世界の人たちが、驚く顔が見たいですね…大体、ジャンプ選手の寿命というか、引退される方は、20代後半から35ぐらいで引退みたいなそんな形が昔はあったんですよね。僕は34、5ぐらいになった時に、何となく周りがそろそろ引退じゃないかみたいな、そんな感じがあったんですけど、ただその年でも、まず、四つ上の先輩の原田さんが37までやったんです現役を、そこまで道を作ってくれた。そこから先、岡部さんが、42までですかねやってくれた。この道がずっと出来たんですよ。“俺はもっと出来るはずだ”そう思って、その道をずっとたどってきて、今、この「51」までという道を僕が作って来れたので、また新たな道を「60」までの道を、ここまでできる人は多分なかなか数えるぐらいしかいない。いや、もしくは僕しかいないかもしれないですけど、こういう道を作ったことで、またいつかこの道をたどってくれる選手がいるんじゃないかなと思いながらやっているんですけど、ただ、やっぱり小さい頃はそういう35で終わるなっていう雰囲気があったので、35までが現役と思ったんですけど、少しずつ年取ってくるにつれて「全然引退しなくてもいいじゃん」「まだまだ出来るじゃん」、そう思ってきました。
Q.
「50」代になって、何か、“ならでは”の悩みはあるか
葛西:
減量がつらい。減量がつらすぎます。20代、30代までは僕の減量って、3日間断食して、午前午後トレーニングするっていうことをやってたんですよね。水とブラックコーヒーしか飲まないという。だと3日で3、4キロ落とす事が出来たんですけど、40代になってから、なかなか落ちなくなってきたんですよね。“あれ”って思ってたんですよ。50代になった時に、断食をすると、今度筋肉が痛くなってくるんですよ。前までそんなことなかったのに。違う運動しての筋肉痛じゃなくって、何もしてないのに、筋肉痛で歩けないぐらい痛くなるんですよね。これ絶対なんかおかしいなっていうのがあって、この年でちょっと断食しちゃうの駄目だなって思って。なので今は長いスパンを使って、少しずつ走り込みはもちろん、するんですけど、食事制限は断食じゃなく、少しずつ食べながら、少しずつ落としていくっていう方法に変えてて。それでもやっぱり「50」超えたら落ちにくいんですよ、体重が。「いつになったら落ちるの!?」みたいな。前までちゃんと落ちたのに全然落ちないので、減量つらいです。
Q.
体の変化と付き合いながら上手くやっていってるという状況?
葛西:
もう僕、人間的に“臨機応変”男なんで、何にでもすぐ対応して、何にでも変換してしまう人間なんですよね。なので、「これをやって駄目だったら次ここでやる」「これだったらこうやる」っていうのを、もうその先の先まで考えながらやれる男なので大丈夫です。














