Q.
自分の競技を通じてどういう思いを感じてほしいか

葛西:
この年までやれてることが僕にとって幸せなことで。こんな 51 歳が頑張ってる姿を見て必ずみんな応援してくれるじゃないですか。『いやこの年で頑張ってるね。俺も仕事頑張ろう』。そう言ってもらえるだけですごく嬉しいことなので、まだまだ出来るんだぞっていうのを皆さんに伝えていきたいですし、55になっても、60になってもできるよっていう、それをちょっと伝えていきたいですね。その中で次の(ワールドカップの)札幌はあるのか。

Q.
ワールドカップ出場への想いは?

葛西:
復活してワールドカップメンバーに入りたいなっていうのは、ずっと思ってたので、ようやく厳しい選考を乗り越えて、国内大会で何位に入らなきゃならない。そしてワールドカップ、1個下のコンチネンタルカップで、日本人の中でトップ成績を出して、そしてワールドカップの切符をつかむっていうのを、下からずっとこうやってきて、ようやくこのチャンスを与えられた。快挙になるのか、わからないですけど、達成して、そして厳しいハイレベルなワールドカップで、30位以内に残ってポイントをゲットしなければならないので、ここでゲットしないと、札幌ワールドカップ後のヨーロッパでのワールドカップ転戦というのもないので、非常に大事な札幌の2連戦なので、ここでしっかりポイントを取りたいなと思ってます。ただ、今世界でトップレベルの小林陵侑は、まだまだ僕はそこまでレベルは全然達してないと思うので、小林陵侑に勝つのはまだ先の先だと思うんですけど、陵侑に追いつけるように、 自分のジャンプの調子を上げて、札幌ワールドカップに挑みたいなと思ってます。

2年後「金メダル取れるかもしれない。そういう期待はありますね」

Q.
自信は?

葛西:
昨年ワールドカップに出場できそうなところまで行ったんですよね。昨年は、完全にもうメンバーから外れたんですよ。大体その前のワールドカップ選考会とか試合とかあって、それが終わったら、減量してますから、めちゃくちゃ食うんすよ。「試合終わった。駄目だった」もう試合で駄目だったら余計ストレスで“うわー”って食べちゃうんですよね。もう“チートデイ”ですよ、食べて、結構体重も増えて、運動する気もなくなって、体も動かしてない。ずっと月火水木ってお酒も飲んだり、食事もしたりして、全然調整してなかったところで、『葛西さん、今週のワールドカップ出ることになりました』と。『1人コロナで選手が出れない、葛西さん繰り上がって出れます』って言われて「ええ!」てなったのが去年だったんですよ。それでも何とか調整して出たんですけど、やっぱりそれは成績が出ないですよね。あと1人で予選通過ならなかったので、そんな調整不足で出た去年とはまた今年は違いますので。調子も去年よりはいいですし、しっかり体調管理もしてますし、しっかり予選を通って本選に出る。その自信はあります。

葛西紀明(かさい・のりあき)

1972年6月6日生、北海道下川町出身。土屋ホーム所属。
ワールドカップは東海大四高1年の1988年に初出場、W杯2013ー2014を41歳7か月で最年長優勝、五輪出場は日本勢最多の8回となる。“ワールドカップ最年長優勝”“冬季五輪スキージャンプ最年長メダリスト”ほか5つのギネス認定記録を持つスキージャンプ界の“レジェンド”。