「加害の歴史はなかったことにできない。忘れない」

1月29日、行政代執行初日。東京ドーム5個分という巨大な公園は完全に閉鎖されました。フェンスで囲まれ、中が見えないよう目張りまでされていました。

メディアの取材は許されず、行政代執行は完全に非公開のもと行われました。

それでも、県民の中に反対の声があること、2週間にわたって公園が閉鎖される予定だったことから撤去作業は慎重に進められるものと考えていました。

撤去作業3日目。作業は予想を遙かに上回るペースで進んでいました。

日下部キャスター
「もう何もない。重機を使った作業が続けられています。追悼碑は跡形もありません。非常に速いペースで撤去作業が進んでいます。作業現場の近くに、一部、粉砕された石のようなものも見えますけども、全て大きなブルーシートに覆われています」

わずか5日間の作業で完全に撤去された追悼碑。いまは何もなかったかのように更地となっています。

ただ、あったもの。あったことをなかった事にはできないはずです。

追悼碑最後の日。取材していた私にとって忘れられない光景があります。

周辺に集まった人々がそれぞれの思いを付箋にたくし、追悼碑に貼ったのです。

「忘れません。子ども達に伝えます」
「加害の歴史はなかったことにできない。忘れない」
「これからは自分が記憶し反省し、友好を進めていきます!!守れなくてごめんなさい」

人々が心に刻んだ追悼碑への思い。誰にも取り去ることは出来ません。