「28年でこんなにも変わるのか」
市民団体の発足から約30年。すでに亡くなった初期のメンバーも少なくない。
元事務局長 神垣宏さん(87)
「守りたいですね。守りたいです。簡単には撤去を許すわけにはいきません」
聞き取り調査を撮影していたのは、当時20代だった在日コリアンの金泰浩さん。日本の人たちの姿を見た時の思いを振り返る。

在日コリアン2世 金泰浩さん(54)
「(日本人が)過去の問題について反省して調査すべきだと、熱意をもって、手弁当でここまでやる人が、こんなにいっぱいいるのかと。そこに胸を打たれて一緒に活動してきた。この状況というのは、その時から28年でこんなにも変わるのか」
当事者の証言を聞いてきた矢中さんはまだまだ努力が足りなかったと、自責の念に駆られている。
日下部キャスター
「いろんな調査を積み重ねて、群馬県との交渉を通じて群馬の森に追悼碑が建ったとき、どんな思いを?」

矢中 幸雄さん(80)
「これが始まりかなと。ああ、これからだと。これで人々に知らせる形ができた。これを伝えていくのは、やっぱり日本人だよなって。みんなそう思ったと思う。私もそうだった。ああ、これがスタートだと」
日下部 キャスター
「この追悼碑ができた、その意志みたいなのをどんどんつなげていく」
矢中さん
「本当にそう言い切れればいいんですけどね。それが本当にこんな形で現れたってことに関して、悲しいですね。本当に悲しいですね。…ごめんなさいね。…残念です」