南米アルゼンチンで先月の消費者物価指数の上昇率が、前の年の同じ月に比べて200%を超えました。およそ32年ぶりの高い水準のインフレです。

アルゼンチンの統計局は11日、去年12月の消費者物価指数が、前の年の同じ月に比べて211.4%上昇したと発表しました。1年間で物価が3倍あまりに上がったことになり、インフレ率が200%を超えるのは1991年6月以来となります。

地元メディアによると、先月就任したミレイ大統領が実施した通貨ペソのドルに対する大幅な切り下げや、低所得者向けに実施されていた商品の価格統制の撤廃などが物価上昇の主な要因とみられています。

ミレイ大統領は先月、インフレ退治に向け、「チェンソー計画」と呼ばれる350に及ぶ経済規制緩和策を発表。

IMF=国際通貨基金はこれを高く評価し、47億ドル=およそ6800億円の金融支援を行うことでアルゼンチン政府と合意するなど、経済政策に一定の評価が示されていますが、急激な物価の上昇で今後、どのような影響が生じるのか注目されます。