英国では難民申請が認められた人々に自動的に定住権が与えられ、家族の呼び寄せも可能になるが、そうした現行制度が廃止される。スターマー首相は、英仏海峡を小型ボートで横断する難民の抑制に向け、抜本的な改革に踏み切る。

スターマー首相が2日、コペンハーゲンで開く欧州政治共同体の首脳会合で、制度の変更を公表する。首相官邸の発表によると、迫害を逃れる人々には英国への「貢献」が求められ、5年を超えて滞在しなければ定住資格を申請できなくなる。

「英国定住のゴールデンチケットはなくなる。自ら勝ち取らなければならない」とスターマー氏は訴える。労働党政権は、ナイジェル・ファラージ党首率いる右派ポピュリスト政党「リフォームUK」から移民政策で攻撃され、対応を迫られた格好だ。

今回の動きは、9月の内閣改造で新たに就任したマフムード内相の下で、難民抑制策の強化を示す狙いがある。スターマー首相は選挙公約で、密入国を手引きし、危険な小型ボートで英仏海峡を横断させる組織を「壊滅させる」と約束したが、今年上半期の難民申請者の流入は、過去最多を更新した。

現行制度では、申請が認められれば、5年間の難民資格を得て就労が可能となり、生活支援を含むユニバーサルクレジットや児童手当を受給できる。その後は無期限滞在許可を申請し、さまざまな給付を受ける権利が得られる。

原題:Starmer to End Automatic Right for Refugees to Stay Indefinitely(抜粋)

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