(ブルームバーグ):プライベートエクイティー(PE、未公開株)投資会社は、次の成長局面が業界の優勝劣敗を鮮明にするとの見方を強めている。市場にあまりに多くの企業が乱立しているためだ。
KKRのパートナー、アリサ・ウッド氏は1日、「米国にはPEファンドが1万9000本ある。マクドナルドは1万4000店だ。どうしてPEファンドがマクドナルドよりも多いのか。正気の沙汰ではないだろう」と発言。「資本が戻ってくることが極めて重要だ。時価評価による帳簿上の利益だけでは限界がある」とコメントした。ロンドンで開催されたブルームバーグのイベントで語った。
買収ファンドは数十年にわたる急成長を経た後、金利上昇を受け投資先の売却や新たな超過収益機会の発掘、投資家への資金還元を巡って困難に直面してきた。オルタナティブ資産市場を支える投資サイクルが停滞しかねない状況だ。
PE投資会社は足元で数十億ドル規模の資金を調達してデータセンターなどの人工知能(AI)関連分野に投じている。こうした新たな資産が苦境にある業界に次の成長の波をもたらすとの期待があるためだ。株式や不動産ビジネスを通じてAI企業やデータセンター事業を取得しているほか、これらの資産を担保にした融資にも取り組んでいる。
ブルックフィールド・アセット・マネジメントのハドリー・ピアマーシャル最高財務責任者(CFO)によれば、AIの急速な成長のためには約7兆ドル(約1030兆円)規模の投資が求められる。同社をはじめプライベート投資大手は、AIの普及で中心的な役割を担おうとしている。

原題:‘Crazy, Right?’: More PE Funds Than McDonald’s Signals Pressure(抜粋)
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