(ブルームバーグ):米アルファベット傘下のグーグルは1日、「ネスト」ブランドのスマートホーム製品の新型モデルを発表した。前日には米アマゾン・ドット・コムも新製品を披露しており、スマートホーム機器への人工知能(AI)のより深い統合を目指し両社が競い合う構図が鮮明になった。
今回発表されたのは、室内カメラ「ネスト・カム・インドア」(第3世代、100ドル)、屋外カメラ「ネスト・カム・アウトドア」(第2世代、150ドル)、ドアベル型カメラ「ネスト・ドアベル」(第3世代、180ドル)の3機種と、小型スピーカー「グーグル・ホーム・スピーカー」(99ドル)の計4製品。このうちカメラ3機種はすでに発売済みだが、スピーカーの出荷は2026年春にずれ込む。
グーグルはスピーカーの発売が遅れる理由について、既存機器のユーザーを優先するためと説明。すでに家庭に普及している数千万台のスピーカーやスマートディスプレー向けに、AIアシスタント「ジェミニ・フォー・ホーム」を先行提供することが優先課題だとの見解を示した。アマゾンは最新のAIアシスタント「アレクサプラス」を搭載したスマートスピーカー「エコー」シリーズを10月から11月にかけて発売する予定で、グーグルより早い投入となる。

カメラは2K解像度に進化
ネストの新カメラ3機種は解像度を2Kに高め、HDR動画の記録にも対応した。視野も広がり、ネスト・カムは152度、ネスト・ドアベルは166度の対角視野を確保。地面に置かれた荷物や配達品も捉えやすくした。高解像度化により映像の拡大・切り取りも精細にできるようになった。
低照度での性能も向上し、赤外線暗視に切り替わる前にカラー映像を維持できる時間が長くなった。6時間分のイベント履歴(10秒クリップ)を確認でき、月20ドル(年200ドル)の「グーグル・ホーム・アドバンスト」加入者は最長60日分のイベント記録と10日間の24時間連続録画が利用できる。

今回の新製品群の真の狙いはグーグルのAIプラットフォーム、ジェミニ・フォー・ホームを前面に打ち出すことにある。従来のアシスタントを置き換えるもので、グーグルはその一環で、スマートホーム統合アプリ「グーグル・ホーム」を再設計し、動作速度と信頼性を高め、クラッシュを80%減らしたと同社は説明する。
新アプリは「ホーム」、「アクティビティー」「オートメーション」の3タブ構成。ホームではスマートホーム全体の概要を確認できる。アクティビティーでは起きた出来事が一覧表示される。オートメーションでは、家電の電源オン/オフなど自動操作を設定・管理できる。
原題:Google Revamps Smart Home Lineup With 2K Cameras and AI Push(抜粋)
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