官民ファンドの産業革新投資機構が、半導体素材大手のJSRを買収する方針を固めました。投じられる資金は、官民合わせて1兆円に達する巨額の買収となります。
関係者によりますと、産業革新投資機構は、年内にもJSRに「TOB=株式の公開買い付け」を行い、順調に進めば、JSRは来年中に上場廃止となる見通しです。
JSRを買収するための新会社を設立し、機構が5000億円程度を出資するほか、みずほ銀行がおよそ4000億円を融資するなどして、買収額はおよそ1兆円にのぼる見通しです。
JSRは「フォトレジスト」と呼ばれる半導体の製造に欠かせない材料で世界シェアがトップクラスです。
機構は非上場化によって、JSRの経営資源を半導体に集中させ、国際競争力を高める狙いで、政府が経済安全保障上の重要物資と定める、半導体の供給網の強化に繋げたい考えです。
JSRは機構による買収について「検討していることは事実」で、26日の取締役会で議論する予定だと明らかにしました。

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