日本銀行が大規模金融緩和の維持を決めたことを受け、長期金利はおよそ1か月半ぶりの水準にまで急低下しています。

債券市場ではこのところ、長期金利の指標となる10年国債の利回りが日銀の上限とする0.5%をつけていましたが、大規模金融緩和の維持が決まったことを受け、一時0.385%まで急低下しました。

これは、黒田総裁の下で行われる最後の決定会合で政策の“サプライズ修正”があるのではないかとの思惑から、国債を売っていた投資家らが「修正なし」の結果を受け、国債を買い戻したためです。

しかし専門家は、長期金利は今後、再び上限近くまで上昇する可能性があると指摘します。

東海東京証券 佐野一彦 チーフ債券ストラテジスト
「長期金利は一時的に低下しているが、新総裁の下で行われる次の決定会合を前に0.5%近くまで上がると考えられる」

来月総裁に就任する植田氏の下で行われる初めての決定会合を前に、日銀と市場との攻防戦は再び激しさを増しそうです。