作業服大手のワークマンは「新業態」を始めると明らかにしました。作業服メーカーから脱皮し、アパレル市場に本格参入します。
ワークマン 土屋哲雄専務
「ファッションを打ち出した店舗にしたいと。今年9月ぐらいに東京中心部に出店したい。その店名がワークマンカラーズ」
ワークマンが秋から始めるのは、ファッション性を前面に出した新業態です。「ワークマンカラーズ」の名称で、9月にも都心に店舗を出す予定です。
ワークマンは2018年に、▼一般向けに機能性の高い商品を扱う「ワークマンプラス」や、▼2020年には女性向けの「ワークマン女子」などの業態を立ち上げてきました。
ただ、商品自体は作業服と共通の仕様とし、流行に左右されない商品作りでコストダウンをはかってきました。
今回はこうした路線から転換し、ファッション性を前面に出した、アパレル業態へ本格的に参入することになります。
ワークマンの土屋哲雄専務はその理由について、「ワークマン女子が好調で多店舗展開するには次の一手が必要だ」と話し、元々の強みである機能性と安さに加えて、デザイン性も高めた商品の開発に取り組む考えを示しています。
ワークマン 土屋哲雄専務
「ユニクロさんは強いんで、同じテーブルになると必ず負けますんで、できるだけユニクロの世界とかに近づかないようにしてます。ユニクロさんも最近、機能を意識したり、カラーを強調しだして、結構近づいてきてるんですが、価格的に言うと(ワークマンは)半分ぐらい。機能的に言ってもうちの方が強いんで。我々はデザインを追っかけ、向こう(ユニクロ)は機能を追っかけると」
また、ワークマンはきょうの展示会で、今年の秋冬商品について、主なプライベートブランドの商品の99%で価格を据え置きながらも来期の社員の給与を平均で5%引き上げると発表しました。
一方で、円安、原料高、運送費のコスト上昇などが影響し、今年3月までの1年間の決算は、売り上げ高は増加するものの、利益が減少する見通しとなっているため、一部の役員のボーナスをカットすることも併せて発表。ワークマンの土屋専務は、賃金を先にあげることで売り上げを伸ばす好循環を作りたいとしています。
ワークマン 土屋哲雄専務
「給与上げると、社員が結構働いてくれるんですよ。チャレンジしてくれます。だから新業態もあり、売り上げも上がってますから、期待値込みの賃上げだと思ってます。良い方に回るといいますか」
原材料費の高騰でコストが増加する中で、ファッション性を高めた商品を低価格で売り続けることができるのか、難しい挑戦となりそうです。

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