中国は、韓国の李在明大統領の就任後初となる訪中を控え、地域の重要問題を巡って韓国の支持を得るべく働き掛けを行っている。李大統領は国賓として中国を訪問し、習近平国家主席と会談する予定。今回の訪中は、中国、台湾、日本の間で緊張がくすぶる中で行われる。

李氏は1月4日に北京入りし、3日間滞在する。現職の韓国大統領が訪中するのは2019年以来。6、7日には上海を訪問する予定だ。李氏の報道官が12月30日の記者会見で明らかにした。

中国の王毅外相は31日、韓国の趙顕外相との電話会談で、一部の日本当局者が「侵略と植民地支配の犯罪を正当化」しようとしているとした上で、「台湾に関する『一つの中国』原則の順守を含む諸問題について、韓国が正しい立場を取ると中国は信じている」と伝えた。

約2カ月前には、習主席がアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に合わせて11年ぶりに韓国を訪問。李氏は習氏との会談の冒頭、「地域の平和と安定の重要性はいくら強調してもしすぎることはない。前向きなパートナーシップを発展させるために取り組んでいく」と述べていた。

その後、高市早苗首相が、中国が台湾に侵攻した場合、集団的自衛権を行使できる存立危機事態になり得ると発言したことで、日中関係は悪化している。高市氏の発言を受けて中国は、日本への渡航自粛呼び掛けや水産物の輸入停止などの措置に動いたほか、高市氏に発言の撤回を求めている。

中国人民解放軍は、台湾周辺での大規模軍事演習を終えたばかり。2日間にわたり、中国の軍艦や軍用機が実弾演習を伴って台湾封鎖を想定した訓練を実施し、30日には数十発のロケット弾が北部と東部付近の海域に着弾した。

中国はこの演習について、「『台湾独立』分離勢力と外部干渉に対する厳しい警告」だと説明した。

李氏は12月、中国と日本の間で仲介役を果たす可能性に言及した。記者会見で「どちらか一方だけを支持すれば、対立を激化させるだけだ」と述べている。

 

尹錫悦前大統領が、北朝鮮の脅威に対抗するため米国や日本との防衛・経済関係強化を優先したのに対し、李氏はよりバランスの取れた外交を模索しており、米中の競合関係が激化する中で、どちらか一方を支持することに慎重な姿勢を示している。

原題:China Seeks S. Korea Support on Japan, Taiwan Before Lee’s Visit(抜粋)

--取材協力:Jing Li、ジェームズ・メーガ、Jacob Gu.

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