歴史的な物価高が続く中、西村経済産業大臣は22日、中小企業の賃上げに向けた取り組みや課題について、中小企業のトップら6人との意見交換を行いました。

西村経済産業大臣
「賃上げを実施し、所得が上がっていくことで良い人材が集まる、またイノベーションが起こっていく。それによって投資・成長にまた繋がっていくという好循環を作っていく中で、賃上げを起点とする好循環を作っていくことが重要だと考えている」

西村大臣は中小企業との意見交換でこのように話し、値上げに向けた大企業との価格転嫁の交渉や、自社の取り組みなどについて聞きました。

ばねメーカー 沢根スプリング 沢根孝佳会長
「今年の昇給は約3%を予定している。人を大切にする経営をすれば社員のモチベーションが上がり、業績があとからついてくると思っている」

鋳物メーカー 伊藤鉄工 伊藤光男社長
「今年の賃上げは4%程度を予定している。物価高騰への対応や、人材確保が目的。今年はそれなりに価格転嫁ができたので原資があった」

繊維機械メーカー カジグループ 梶政隆社長
「本当はもっと賃上げをしたいが、電気代や資材価格の上昇が大きすぎる。なかなか価格転嫁は難しいが、時間をかけて頑張っていきたい」

醸造食品向けの機械メーカー フジワラテクノアート 藤原加奈副社長
「非常に厳しい状態ではあったが、4%の賃上げをすることになっている。人が最も重要な資源と考えている」

コンサルティング会社 Legaseed 高橋祐司COO
「2022年は約35%の平均年収のアップを実現した。若手人材の成長を加速させていくことが重要。賃上げだけでなく、より難しい課題に取り組みさせやすい人事制度改革もしている」

調味料製造メーカー アイビック食品 牧野克彦社長
「賃上げを続けてきたが、去年はコロナ禍の影響で賃上げを一時ストップ。DXなどを活用して売上高は好調だが、原材料やエネルギー価格が高騰しているので利益はコロナ禍前に戻っていない。賞与としては社員に還元していきたい」

歴史的な物価高が続く中、大企業だけでなく、国内の雇用の7割を占める中堅・中小企業でどこまで賃上げが進むかが大きな焦点となっているため、経済産業省は中小企業の賃上げを後押ししたい考えです。