秘書官による同性婚などへの差別発言を受けて、岸田総理は「LGBT理解増進法案」の提出に向けた準備を指示しました。しかし、自民党内には反対も根強く残ります。
公明党 山口那津男 代表
「ぜひとも今国会で成立をさせるべきだと。できれば、G7のサミット首脳会議をやる前に日本としての意思を明確に示すべきである」
公明党の山口代表が成立を急ぐべきだと強調した「LGBT理解増進法案」。性的マイノリティへの理解を促すもので、おととし、超党派の議員連盟が成立で合意したものの、自民党内の反対により、国会提出が見送られました。
ネックになったのは、法案に盛り込まれたこの一言…
「差別は許されないものである」
当時、慎重派の中心だった議員に今の考えを問うと…
自民党 西田昌司 参院議員
「内心に係る問題にも関わってくる。それを進められる方は禁止規定とか罰則とかね、そういうことを言われるんですよ。それは逆に何遍も言いますけど社会の分断をさせてしまうんでね、それは良くない」
「差別は許されない」と書くと、新たな禁止規定や罰則に繋がり、社会の分断を招くとの主張です。
これに、推進派の議員はこう反論します。
自民党 稲田朋美 元防衛大臣
「この法律ができたから、何か新たな禁止条項ができるということではない。差別は許されないという認識のもと、これも至極当たり前のこと。当事者の本当にこれが生きていく上での核となるような、そういう重大な問題だっていうことを理解した上でこの問題を議論すべきだと思ってます」
岸田総理も党の幹部に法案についての議論を指示し、失われた信頼の回復を図ります。ただ、党内からはこんな“本音”も…
自民・閣僚経験者
「本心では僕自身もそうだし、僕の周りの人は殆どが法案に反対している。ただ、声をあげにくい」
法案の行方は予断を許しません。
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