莫大な熱エネルギーと「終末的」な気候への影響
エルニーニョは自然のサイクルの一部であり、太平洋赤道域の海洋振動に起因します。
「監視海域3.4」と呼ばれるエリアの海面水温が平年より摂氏0.5度以上高くなると、エルニーニョ現象と認定されます。逆に水温が低い時期はラニーニャと呼ばれます。
2026年のデータを見ると、秋に近づくにつれて前回のエルニーニョ時の水温を上回り、1991〜2020年の平均水温と比較しても海洋の温暖化は顕著です。
今回のエルニーニョの特徴は、海面だけでなく深層の水温も上昇している点にあります。年末までに太平洋の水温を2度以上高めると予測されており、このわずかな差に見える温度上昇が、海に莫大なエネルギーを蓄積させます。
海洋はまるで巨大なバッテリーのように機能し、熱の移動を促すだけでなく水分の蒸発の勢いを強め、エルニーニョの威力をさらに増大させるのです。
エルニーニョ自体は気候変動が直接の原因ではありませんが、地球の気温をさらに0.2〜0.3度押し上げる効果があります。
多くの気候学者は、今回のエルニーニョを未来の地球環境の「予行演習」だと指摘しています。
緊急事態が宣言された西ヨーロッパの火災は「終末的」と描写されましたが、2027年までに訪れるとされる「史上最悪の猛暑」すらも、このまま気候変動が進めば、2035年の日常のほんの予告編に過ぎないのかもしれません。
