業界指標となる貿易ルートを通航する原油タンカーのチャーター料が、初めて1日100万ドル(約1億5400万円)を突破した。イランでの戦争を受け、ホルムズ海峡の通航を避ける船舶が相次いでいるためだ。

ロンドンのバルチック海運取引所が14日に公表したデータによると、ペルシャ湾内から中国に原油を運ぶ船舶のチャーター料は1日当たり103万5000ドルに達した。ただ現状では、この航路は目安になりにくい。ペルシャ湾岸産石油の主な輸出手段が、ホルムズ海峡を通るピストン輸送へと移行し、海峡の通航を避けたいタンカーが海峡のすぐ外側で回収できるようにしているためだ。

それでも、この危険海域を通航する必要がないオマーン湾から中国への原油輸送には、1日当たり換算で約64万4000ドルかかる。過去に市況が低迷した際には、同じ船舶の収入が運航費を辛うじて賄う程度にとどまることもあった。

海上輸送コストは複数の要因が重なって押し上げられており、その多くはイランでの戦争と、秘密主義で知られる韓国の大物実業家による巨額の賭けを巡るものだ。

チャーター料の高騰は、石油精製マージンが制御不能なほど急騰していることも一因となっている。イランとウクライナでの戦争により、世界では燃料供給が需要に追いついていないことが背景にある。このため製油業者は、入手できる原油を可能な限り購入して輸送し続けている。原油をディーゼルやガソリンなどの石油製品に精製しても、なお利益を確保できるためだ。

同時に、ホルムズ海峡から貨物をピストン輸送する作業により、タンカー1隻当たりの航海時間が長くなり、船舶の供給は逼迫(ひっぱく)している。さらに、イエメンの親イラン武装組織フーシ派によるサウジアラビア産原油の輸送への妨害も重なり、一部の船舶はアフリカを迂回(うかい)する30日長い航路を余儀なくされている。

原題:Oil Tankers Earn $1 Million a Day as War Leaves Ship Shortage(抜粋)

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