市場ウオッチャーの間では金利がS&P500種株価指数に及ぼす影響について見方が分かれる一方、株価の先行きへの見方は以前より強気に傾いている。

弱気派の代表格であるバンク・オブ・アメリカ(BofA)のサビタ・スブラマニアン氏は、ウォール街で最低だったS&P500の目標値を引き上げた。ただ、金利動向がなおリスクになると指摘した。一方、トールバッケン・キャピタル・アドバイザーズの創業者で最高経営責任者(CEO)のマイケル・パーブス氏は、金利上昇が株式相場の上昇基調を崩すとはみていない。S&P500は今年これまでに11%超上昇している。

BofAの米国株・クオンツ戦略責任者を務めるスブラマニアン氏は、年末予想を従来の7100から7400に引き上げた。これは14日終値から2.9%下落する計算だ。ブルームバーグがストラテジスト20人超に実施した調査では、ウォール街で最も弱気な予想の一つにとどまる。今後12カ月では7800まで上昇すると予想するが、14日終値からの上昇率は2.4%にとどまる。

一方、パーブス氏は年末目標を7400から8500に引き上げた。企業利益の「並外れた」伸びを反映したという。パーブス氏の新たな目標は、米調査会社ヤルデニ・リサーチの社長兼チーフ投資ストラテジスト、エド・ヤルデニ氏が示していた従来の予想を上回り、ウォール街で最高となる。14日終値から約12%の上昇を見込む。

米国株は14日に下落した。主要AI企業の経営トップがAI開発の減速を呼びかけ、トランプ政権やウォール街と対立した。原油高とインフレ、それに伴う借り入れコスト上昇が米経済を圧迫するとの懸念から、10年物米国債利回りは一時、2023年以来初めて5%を突破した。

投資家は米連邦準備理事会(FRB)による16日の金融政策決定待ちだ。スワップ市場では0.25ポイントの利上げがほぼ織り込まれている。

利益の伸び

スブラマニアン氏はインフレとFRBの利上げリスクを引き続き警戒する。すでに厳しい資金調達環境の下で、コストをさらに押し上げる要因が生じれば、「痛みを早める」可能性があると指摘した。

また、株価は「そろそろ調整局面を迎えてもおかしくない」ともみている。5%の調整局面は通常、年3回程度あるが、今年は3月の1回しかない。スブラマニアン氏が弱気相場の目安とするシグナルの50%が点灯しているという。

一方、パーブス氏は株高には「持続力がある」とみる。金利の変化が企業利益を押し下げるとの懸念も退け、両者の相関は非常に弱いと指摘した。

企業利益の伸びは「並外れており、持続力があり、裾野も広い」とパーブス氏は述べた。「株価収益率(PER)の緩やかな上昇が加われば、S&P500は8500近辺、場合によってはそれ以上まで容易に上昇し得る」とした。

スブラマニアン氏も利益の伸びには楽観的だ。生産性向上をS&P500の長期上昇の材料に挙げるほか、企業利益は「問題ではない」とする。1株利益(EPS)は26年に33%、27年に12%増加すると予想。「AI設備投資や製造業、生産性向上に支えられ、マクロ経済予測から想定される以上の伸びになる」とみている。

今年の中間選挙で民主党が上下両院を制し、AI投資への逆風となる可能性についても、さほど懸念していない。AI関連のインフラ整備は共和党優勢州の州政府による後押しが大きいためだ。

今回の目標引き上げに先立ち、ウォール街では予想の上方修正が相次いでいる。ドゥブラフコ・ラコスブハス氏率いるJPモルガン・チェースのストラテジストチームは8月、S&P500の予想を8000に引き上げ、ヤルデニ氏もその後8400に上方修正した。

原題:BofA, Tallbacken Lift S&P 500 Views, Differ on Rate Risks(抜粋)

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