(ブルームバーグ):トランプ米政権からの圧力を受け、イランの高官によるオーストリア・ウィーンでの国際原子力機関(IAEA)総会演説が見送られることになった。
米当局者によると、イランのエスラミ副大統領(原子力庁長官)は14日に同総会で演説する予定だったが、オーストリアが入国を拒否した。メヘル通信は12日、エスラミ氏が総会に出席するため、テヘランを出発したと報じていた。
オーストリア政府の報道官は同国外務省に確認するよう説明したが、同省は対応時間外でのコメント要請に応じなかった。
匿名を条件に語った米当局者によると、国連はエスラミ氏への入国を許可する制裁適用除外を求めたが、米国からの働き掛けを受け、認められなった。より下級のイラン代表が今週、総会で演説する可能性はある。

核兵器保有を阻止するためにトランプ氏が不可欠と主張する対イラン戦争が7カ月目に入る中、エスラミ氏の出席と総会序盤での演説は、イラン側の正当化につながりかねないと懸念された可能性がある。
代わりに、ライト米エネルギー長官が総会の場を利用して、「イランは決して核兵器の開発や保有をしてはならない」と、同国に警告を発する予定だ。
匿名を条件に語った政権当局者によると、ライト氏は「イランはIAEAに全面的に協力し、保障措置上の義務を履行するとともに、IAEAが任務を遂行するために必要な立ち入りを認めなければならない」と述べる予定だ。
IAEAは核関連活動の疑いがあるイランのピックアックス山で建設活動を確認したと明らかにしている。トランプ氏も9日、「ピックアックスで少し活動がある」と指摘し、イランに対して「妙なまねをしないよう忠告する。そうでなければ、われわれは極めて強力な攻撃を加えざるを得ない」と警告した。
ライト氏はIAEAの「創設時の使命」も強調する予定だ。核セキュリティーへの対応だけでなく、核保障措置の検証や、「加盟国への平和的な原子力技術の提供」についても述べる。
ライト氏は「IAEAが業務効率を優先し、重複するプログラムを廃止するとともに、加盟国が拠出する全ての資金が、核不拡散体制を支える根本的な約束を守るために使われるよう求める。中核的な技術上の任務に引き続き集中する、規律あるIAEAは、全加盟国に利益をもたらす」と訴える。
トランプ政権はまた、電力需要の急増に対応するため、原子力発電の拡大を加速させようとしている。米国とサウジアラビアは7月、長年の懸案だった原子力技術の共有協定を締結。これにより、米企業がサウジ国内で原子炉を建設する道が開けた。
こうした中、ライト氏は、平和的な原子力技術を推進するため、IAEAや加盟国との協力に尽力する米国の姿勢も表明する見通しだ。
同当局者によると、ライト氏は「米国が国内外で原子力エネルギーの新時代を主導する中、急速な成長と妥協しない基準が両立することを証明する」と述べる予定。「米国が原子力分野で主導力を発揮するということは、安全、セキュリティー、核不拡散を巡る世界最高の基準に裏打ちされた米国の技術を意味する。われわれの国益を守ると同時に、米企業の競争力を高め、パートナーからの信頼を獲得する」と話す。
原題:Iranian Official Blocked From UN Nuclear Meeting at US’s Urging(抜粋)
--取材協力:Jonathan Tirone.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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