ソフトバンクグループ株が一時13%安と、6月26日以来の日中下落率になった。同社が出資するOpenAIが、新規株式公開(IPO)の年内実施を見送る方向だとの報道を受けて、市場では巨額の資金をOpenAIに一極集中させる姿勢に対し懸念が強まった。

大和証券の坪井裕豪チーフストラテジストは、株価下落について「OpenAIが思ったほどの評価価値にならないのではないか、ソフトバンクの価値も低下しているのではないか」との見方が背景にあると指摘した。AI開発の減速がどこまで進むのか分からず、市場は警戒しているという。

サム・アルトマン最高経営責任者(CEO)がフォーチュン誌のインタビューで、IPOの時期として今年は「賢明なタイミングではない」と述べ、上場が2027年以降になるとの見通しを示した。OpenAIは6月、米証券取引委員会(SEC)にIPO申請書類を非公開で提出し、上場時期は未定としていた。

ソフトバンクGにとってOpenAIは、英半導体設計大手アーム・ホールディングスと並ぶAI戦略の中核だ。2月に決めた300億ドルの追加出資が完了すれば、OpenAIへの累計投資額は646億ドル(約10兆円)に達し、持ち分は約13%となる見込み。残る100億ドルの出資は10月に予定されている。取得する優先株はOpenAIのIPOなどに伴い普通株へ自動転換する条件となっている。

ソフトバンクGはOpenAIをはじめAI関連投資に伴う巨額の資金需要を抱え、ブリッジローンや社債などさまざまな手段で資金を調達してきた。3月にはOpenAIへの追加出資などに充てるため総額400億ドルのつなぎ融資枠を組成。9日には、この枠組みで借り入れた300億ドルのうち、残高259億ドルを15日に期限前返済すると発表した。

一方、事情に詳しい関係者によると、ソフトバンクGの後藤芳光最高財務責任者(CFO)ら幹部は14日から17日にかけて、ニューヨークで投資家との会合を開き、ドル建ての投資不適格級債券(ジャンク債)を発行した場合の需要を探る。会合では、OpenAIの年内上場見送りが投資家の意向にどう影響するかも焦点となりそうだ。

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