日銀9月利上げは既定路線、市場の焦点は「次の一手」
9月17〜18日に開催される日銀金融政策決定会合を巡り、日銀が政策金利を1.0%程度から1.25%程度へ引き上げる方向で調整しているとの報道が相次いでいる。
もっとも、金融市場では今回の25bp利上げはすでに織り込まれている。したがって、市場参加者の関心は9月利上げそのものではなく、その後の利上げペースに移っている。
一部では50bp利上げの可能性が指摘されているが、前回利上げからの期間の短さや、日銀がこれまで段階的な政策運営を重視してきた経緯を踏まえれば、大幅利上げの可能性は低い。
したがって、焦点は利上げペースが「半年に1回」から「3ヵ月に1回」へと加速する可能性が示されるかどうかである。すなわち、9月会合後の会見や声明文から12月利上げの可能性が示唆されるかどうかが最大の注目点となろう。
さらに、連続利上げとなる10月利上げの可能性が示唆されれば、市場にとっては明確なタカ派サプライズとなる。
FOMCと為替が左右する日銀のメッセージ
もっとも、日銀がどこまでタカ派色を打ち出せるかは、9月15〜16日に開催される
FOMCの結果と、その後の為替市場の反応に大きく依存すると考えられる。
仮にFRBが9月会合で利上げに踏み切った場合、教科書的にはドル高・円安圧力につながる。しかし、現時点ではFRBの利上げ観測も市場でかなり織り込まれている。
したがって、実際に利上げが実施されたとしても、ドル高円安が大幅に進展する可能性は高くないと筆者はみている。
一方、FRBが利上げを見送った場合には、日米金利差縮小期待からドル安円高圧力が強まるだろう。
こうした状況を踏まえると、日銀は今回、利上げを実施する一方で、先行きの追加利上げについては慎重な姿勢を維持するという、いわば「ハト派利上げ」を選択する可能性が高いのではないか。
利上げそのものによってインフレへの警戒姿勢を示しつつも、その後のペースについては柔軟性を残すという運営である。
日経新聞は「ある日銀幹部は『1.5%の利上げまでは大きな方向性は一致するだろうが、それ以上になると意見が割れるだろう』とみる」と報じた。これは、市場が想定するほど日銀がタカ派一辺倒ではないことを示唆するコメントと受け取ることができる。
仮に今後、円高方向への圧力が強まる場合には、中立金利との距離は縮小しつつあり、利上げ余地は徐々に小さくなっているといった趣旨の発言が増えてくる可能性もあるだろう。