米国では、年末に向けて食品の値上げが相次ぎそうだ。

米食品大手コナグラ・ブランズは小売業者に対し、冷凍食品の一部を値上げする方針を伝えた。香辛料・調味料メーカーのマコーミックは、値上げが2026年下期の業績を押し上げるとみている。ザ・キャンベルズ・カンパニーは、食事やスナックを中心に、全製品の約6割を4-5%値上げする計画だ。

食品各社は価格を抑えようとしてきたが、さまざまな要因が重なり、これ以上値上げを先送りすることが難しくなっている。エネルギーや肥料のコスト上昇が続き、輸入品への関税負担も加わった。エルニーニョ現象は過去76年で最も強くなる見通しだ。異常気象で収穫に被害が出たり、貿易が混乱したりすれば、価格に一段の上昇圧力がかかる可能性がある。

キャンベルズのトッド・カンファー最高財務責任者(CFO)は、値上げは「われわれに残された最後の手段だ」と述べた。「残念ながら、現在直面している極めて強いインフレを考えると、コスト削減だけでは不十分だ」と語った。

米労働統計局(BLS)は11日、8月の消費者物価指数(CPI)が前月比0.4%上昇したと発表した。インフレが収まっていないとの懸念が一段と強まった。米国のディーゼル価格も史上初めて1ガロン=6ドルを上回っており、食品コストの押し上げ要因となりそうだ。

同じく11日、米スーパーマーケット大手クローガーは売上高見通しを引き下げた。年初から商品の売れ行きが鈍っていると説明した。同社はインフレ圧力が強まるとも予想しており、消費者の負担はさらに増す見通しだ。

ブルームバーグ・ニュースが確認した文書によると、冷凍野菜のブランド「バーズアイ」などを手掛けるコナグラは、9月下旬から幅広い商品を値上げすると小売業者に通知した。デレク・デラ・メイター最高顧客責任者(CCO)は最近、小売業者向けの文書で、包装材や原材料など「さまざまなコストの上昇が続き、その幅も大きい」と説明した。こうしたコストを吸収し続けるのは難しく、利益率を維持するためにも値上げが必要だとした。

値上げがすぐに店頭価格に反映されるわけではない。小売業者は競争環境や消費者の需要などを見ながら、コスト増をどこまで自社で負担し、いつ価格に反映するかを判断する。

米スーパー大手クローガーの店舗(ケンタッキー州)

今までのところ、個人消費はおおむね底堅さを保っている。ただ、ウォルマートなどの小売業者によると、低所得層は支出に慎重になり、より安い商品を選ぶ傾向を強めている。ウォルマートやクローガー、コストコホールセールなどは、主要商品の価格を抑えるために投資を行い、仕入れ先とも協力している。一方、一部の食品小売業者はここ数カ月、年末にかけてインフレ圧力が強まるとの見方を示している。

調査会社サーカナのサリー・ライオンズ・ワイアット氏は「消費者はどこまで値上げに耐えられるのか。以前はかなり余裕があった」と指摘。ただ、5年にわたる物価上昇で家計の負担が積み重なり、「もはや余裕はあまり残っていない」と述べた。

クラフト・ハインツのアンドレ・マシエルCFOは、値上げを「可能な限り最小限」に抑えようとしていると語った。ただ「一部の分野で大きなインフレ圧力が生じ、市場全体が値上げに動くのであれば、われわれも追随する」と述べた。同社は、ホットドッグのブランド「オスカー・マイヤー」やパスタソースの「クラシコ」などを手掛けている。

ドレッシングなどを手掛けるクロロックスは、食品のほか、ごみ袋や一部の清掃用品も値上げすると明らかにした。リンダ・レンドル最高経営責任者(CEO)は、値上げについて「対象をかなり絞る」と説明。「今は消費者の家計に余裕がないとみている」と述べた。

原題:From Campbell’s to Conagra, Food Industry Warns of Price Hikes(抜粋)

--取材協力:Mark Niquette.

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