米アルファベット傘下のグーグルと、フィンランドの公益企業フォータムは、同国の原子力発電所を今後数十年にわたって稼働させるために必要な10億ユーロ(約1800億円)の投資につながる契約を結んだ。この種の契約は、欧州では初めてとなる。

グーグルはフィンランドでのAIインフラに130億ユーロを投じる計画の一環として、ロヴィーサ原子力発電所の発電能力の最大50%を購入することで合意した。これにより、同原発は運転認可期限の2050年まで稼働を続ける道が開かれる。データセンターの拡大に伴い、低炭素で24時間供給できる電力を確保するため、テック企業が原子力発電に目を向ける動きが相次いでいる。

フォータムのマルクス・ラウラモ最高経営責任者(CEO)はインタビューで、「大量の電力が長期にわたって必要とされており、クリーンで信頼性が高く、手頃な価格の電力を確保できる点は、魅力となっている」と述べた。

欧州と米国では数十年にわたって新設原子炉への投資が限られてきたが、電力需要の増加や気候変動対策を背景に、原子力への関心が再び高まっている。米政府は、グーグルへの電力販売を計画するアイオワ州の原発をはじめ、閉鎖された原発の再稼働を目指す企業に数十億ドルを融資している。

グーグルとフォータムは発表資料で、今回の契約によりロヴィーサ原発が2030年以降も稼働を続けることが可能になると説明した。50年まで運転を続けるには、今後約10億ユーロの投資が必要になる。同契約は、欧州各地の老朽化した原発の運転期間を延長する契約のモデルケースとなる可能性がある。

シティグループのアナリスト、ピョートル・ジエチョロフスキ氏とジェニー・ピン氏のリポートによると、両社の契約は、欧州のデータセンター向けの大規模でクリーンなベースロード電源への需要が高いことを示しているという。両氏は、スペインの原発を含め、欧州各地でデータセンター向け電力契約がさらに締結されるとみる。

既存の原発の稼働継続や、閉鎖された原発の再稼働は、最も迅速に原子力発電を維持・拡大できる手法の一つとなっている。原子炉新設という選択肢もあるが、何年も要する場合があり、工期の遅れや予算超過もたびたび発生している。

それでも、原子力発電能力の拡大を目指すグーグルとフォータムは、新たな原子力や再生可能エネルギーの開発などに向けた覚書を締結した。

ラウラモ氏は「需要は極めて大きくなる可能性がある。その需要を満たすための役割を、新たな原子力発電が担うという結論に、われわれはすでに達している」と述べた。

原題:Google Gives a 20-Year Lifeline to Nordic Nuclear Plant (1)(抜粋)

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