(ブルームバーグ):10日の日本市場では、中東情勢の一段の混迷により原油価格が急伸したことが株価と債券に逆風となる見込みだ。日本銀行の利上げ加速に向けた思惑が円相場を支える中、日銀の増一行審議委員の発言に注目が集まる。
中東では、イエメンの親イラン武装組織フーシ派によるサウジアラビアへの攻撃が9日も続いたほか、イランで爆発音が聞かれるなど各地で衝突が相次いでいる。イラン政府高官は米国が攻撃を続ければ報復を強める考えを示す一方、トランプ米大統領は11月の中間選挙まで戦争が続くことを示唆するなど、緊張緩和の糸口が見えない状況だ。ブレント原油先物は7月以来初めて100ドルを突破し、原油価格の高騰が世界経済の足かせになる恐れが出始めている。
中東情勢の悪化や原油高を受け、米国株式市場では幅広い銘柄が売られており、日本株にも売りが先行しそうだ。引け後に米アップルが初の折り畳み式iPhoneを発表したが、特にサプライズはなく、同社の株価は時間外取引で小動きで推移。アップルに部品を供給する日本企業の株価にも大きな影響はなさそうだ。
インフレ懸念から米国債も下落し、10年国債利回りは一時2023年11月以来の高水準を付けた。米財務省は、ベッセント財務長官が先月示した国債買い戻しの増額方針に基づき、当初予定の3倍にあたる60億ドル(約9200億円)の買い入れを発表したが、利回りの上昇を止めるには至らなかった。このため、日本の国債価格もやや軟化(利回りは上昇)するとみられる。
外国為替市場では、日銀の利上げ加速観測が引き続き円を下支えしそうだ。政策委員会で中立寄りとされる増委員の講演・記者会見の内容次第では、円相場が反応する場面も想定される。日本時間夜には、欧州中央銀行(ECB)の政策金利発表が予定され、0.25ポイントの利上げがほぼ確実視されている。今後の利上げ加速が示唆されれば、ユーロ買いが進む可能性もある。
(注:表中の終値は米国時間終値。円相場は対米ドル、前営業日比は円の対ドル変化率。米10年金利の前営業日比は変化幅(単位:%ポイント)。日経平均の前営業日比はシカゴ・マーカンタイル取引所清算値と大阪取引所清算値との比較。シカゴ取引所が休場の場合は大阪取引所の夜間終値と通常取引清算値の比較。金は1トロイオンス当たりのドル建て価格)
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