(ブルームバーグ):S&P500種株価指数の構成企業の通期利益予想が上向いている。AIブームに加え、上期までの決算が予想を上回ったことが追い風となっている。
S&P500構成企業のほぼ全社がこれまでに決算発表を終えた。このうち86%がアナリスト予想を上回っており、ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)のデータによると、2021年以来の高水準となる。
ブルームバーグがまとめたウォール街のデータによると、S&P500種企業の今年の利益は32%増が見込まれている。4-6月(第2四半期)決算シーズン前の予想は24%増だったが、一般消費財や通信サービス企業の予想引き上げが押し上げた。
BIのアナリスト、ナサニエル・ウェルンホファー氏は「2026年に見られた大幅な利益成長の明白な原動力は、AIへの巨額投資だ」と指摘。第2四半期の伸びは、第1四半期のペースを上回る勢いだと付け加えた。
年初からすでに滑り出しは好調で、アナリストは一段と高まった期待に企業が応えられるのかを疑問視していたことから、第2四半期決算はなおさら際立った。
予想を最も大きく上回ったのは、アマゾン・ドット・コムやアルファベットなどのAI関連企業だった。
通信サービスは大幅に上方修正され、今年の利益は51%増と予想されている。第2四半期開始時点では26%増が見込まれていた。
テクノロジー
テクノロジーセクターは、AI能力の強化に向けた設備投資の拡大による恩恵を引き続き受けているが、一部では逆風も生じている。
ウェルンホファー氏は「AI企業は引き続きS&P500の利益を押し上げる主要な原動力だ」と述べ、AI関連企業の勢いは第2四半期にピークを迎えた可能性があり、利益率の伸び鈍化によって収益化へのハードルは高まるものの、ファンダメンタルズの強さが失われるわけではないと付け加えた。
ただ、一段の重しとなっているのがコストの上昇だ。アップルはメモリー価格の上昇と供給制約で製品の待ち時間が長引き、売上高見通しが期待外れとなった。エヌビディアは、メモリーコストの急増を背景に利益率が低下すると警告した。エヌビディア、アップル、マイクロソフトはS&P500で最もウエートの大きい構成銘柄だ。
エネルギー
エネルギーセクターは、安定した電力供給を確保する動きや、中東での紛争による混乱が懸念されたほど深刻ではなかったことが追い風となっている。
エクソンモービルとシェブロンの業績予想は上方修正された。シェブロンは第2四半期に過去最高益を計上したほか、イラン戦争に伴う原油価格の上昇がエクソンの利益を押し上げた。
金融
金融機関の利益予想は第2四半期決算後に小幅に上方修正された。業績を押し上げる要因が第3四半期も続くと見込まれている。
キーフ・ブリュイエット・アンド・ウッズのアナリスト、シュレヤンク・ガンジー氏は「活況な資本市場、融資の伸び加速、良好な信用状況が総じて2026年第2四半期の業績を支えた」と述べた。
BIがまとめたデータによると、債券、株式、為替、商品トレーディングによる収入に加え、企業買収などの手数料収入も第3四半期に増加する見通し。BIのアナリスト、ニール・サイプス氏によれば、クレジット取引は債券や証券化商品の活発な取引に支えられており、アドバイザリー手数料も大型案件の増加で伸びると予想されている。
原題:AI Boom Set to Push S&P 500 Earnings Growth to 32% This Year
(抜粋)
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