(ブルームバーグ):為替市場での円安修正の動きがこのまま続けば、金利の上昇圧力が緩和される可能性があり、不動産セクターやAI・半導体関連株に追い風になるとJPモルガン証券はみている。
西原里江チーフ日本株ストラテジストはリポートで、1ドル=155円を下回るドル高・円安の修正が継続した場合、円安進行によるインフレ懸念や日本銀行の利上げ観測の高まりで金利のプレミアムが低下し、国内金利の上昇圧力が緩和する可能性があると予測。年初来ワーストパフォーマーの不動産株の投資魅力が高まり、AI・半導体の回復時期も早まる可能性があるとの認識を示した。
JPモルガン証の見方は、円高を受けAI・半導体関連株などで積み上がったポジションが巻き戻されると予測したサクソ・マーケッツの分析とは対照的だ。
サクソは高バリュエーションで投資資金が集中、レバレッジが効いたセクタ-は最も脆弱(ぜいじゃく)だとし、低金利の円を売り、ドルなど高金利通貨を買う円キャリートレード解消の影響を最も受ける分野としてAI、半導体関連、金利に敏感など不動産投資信託(REIT)などを挙げていた。
一方、JPモルガン証の西原氏は企業の海外生産比率の高止まりや海外利益の本国還流率の低下、デジタル赤字の拡大、エネルギー輸入の拡大、家計の外国資産投資など構造要因で過度な円高は起きにくくなっていると指摘。1ドル=150-155円の範囲なら企業業績への影響は限定的で、150円でも日本株には大きなマイナスにはならないとの前提に立つ。
円安修正でリスクプレミアムが縮小すれば、不動産とAI・半導体株の追い風になるとみる半面、ドル・円の変動と業績、株価パフォーマンスの関係を分析した結果、マイナスの影響が大きいセクターとして海運を含む「運輸・物流」や「自動車・輸送用機器」「鉄鋼・非鉄金属」を挙げている。
9日の東京外国為替市場の円相場は、対ドルで一時153円20銭台に上昇。8日に152円台後半と2月以来の高値を付けた後、円買いの動きは一服していたが、米国のベッセント財務長官が円売り圧力をけん制し、再度強含んだ。
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