8日の日本市場では円が対ドルで153円台半ばまで上昇し、半年ぶりの高値を更新している。日本銀行の利上げ観測を背景に、7日に節目の155円を割り込んだ後も円高が止まらない。株式は下落、債券は先物が上昇している。

円は7日の夕方以降、目立った材料がない中で急伸。米国の祝日で薄商いとなる中、損失を確定するストップロスを巻き込んで円買いが加速した。

8日に発表された7月の名目賃金は前年同月比4.7%増と、約30年ぶりの高い伸びとなった。賃金と物価が緩やかに上昇するという見方を支え、日銀の利上げ観測を後押しする。金利スワップ市場では、日銀が9月会合で利上げする確率を約97%織り込んでいる。

あおぞら銀行の諸我晃チーフマーケットストラテジストは、ストップロスのドル売り・円買いをきっかけに投機筋の円キャリーポジションの巻き戻しが進んでいると指摘。ただ、日米金利差や貿易赤字など構造的な円安要因は残っており、「円高トレンドに転換したわけではない」とも述べた。

株式

株式は反落。円の急伸が重しになり、自動車や機械などの輸出関連株が売られている。前日に上げが顕著だった商社や半導体関連株の一角も安い。一方、ソフトバンクグループやアドバンテストなどのAI関連株の一角は高く、日経平均株価はプラスに転じる場面がある。

野村アセットマネジメントの石黒英之チーフ・ストラテジストは、米国休場で手がかりに乏しい中、昨日の上昇を受けて売りに押されるとみており、原油価格の上昇もインフレ懸念や金利高を通じて圧迫要因と指摘した。

債券

債券は先物が上昇。きょう実施される5年利付国債入札は波乱なく通過するとの見方が相場を支えている。

SMBC日興証券の奥村任チーフ金利ストラテジストは、5年債入札は利上げの織り込みが進んで利回り水準が高まる中、相応の需要が集まり「無難」に消化されるとみる。

--取材協力:日高正裕.

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