ソフトバンクグループは4日、1兆円の個人投資家(リテール)向け社債の発行条件を決定した。利率は4.75%。金利水準が切り上がる中、高い利回りで需要を取り込む。

公表された書類によると、発行するのは償還期間が7年の無担保社債で、利率は仮条件(4.3-4.9%)の上限近くで決まった。ブルームバーグの集計によると、2026年の国内個人向け円建て社債の平均利率は3日時点で2.3%。今回債はこれを大きく上回る。

今回の起債は、長期金利が約30年ぶりに3%を突破する記録的な金利上昇局面と重なった。1兆円という過去最大の個人向け社債が投資家需要を取り込み、企業の間で発行の動きが広がる可能性がある。

Photographer: Brian Kaiser/Bloomberg

野村証券の荻野和馬シニア・クレジット・アナリストは、利回り水準と1兆円という規模が注目を集め、「新たな個人投資家を社債市場に呼び込むきっかけになる」と語る。金利上昇で債券価格が下落する場合でも、満期保有すれば時価変動の影響を受けにくく、高い利回りを享受できる。

ブルームバーグの集計によると、26年の国内個人向け円建て社債の発行額は今回債を含めて2兆8800億円と、過去最高だった前年をすでに上回る。

企業の合併・買収(M&A)や成長投資で企業の資金需要が高まる中、機関投資家向けに大量発行するとスプレッド(上乗せ金利)が拡大しやすい。個人向け市場を活用すれば、拡大圧力が和らぐ上、調達先の分散にもなる。荻野氏はこうした「一挙両得」でリテール債市場の裾野が広がる可能性を指摘する。

高い利回りは、ソフトバンクGの信用リスクを引き受ける対価でもある。同社は国内格付け会社から投資適格の評価を受ける一方、海外の主要格付け会社には「投機的」と判断されている。

SMBC日興証券日本橋支店の平塚貴之支店長はブルームバーグの取材に対し、長期金利が3%を超え、インフレへの警戒感も高まる中、「個人投資家の債券への関心は確実に高まっていると感じている」と話した。定期預金より高い利回りや、株式以外の運用先を求める相談が増えているという。

(最終段落に国内証券のコメントを追記しました)

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