(ブルームバーグ):英家電メーカーのダイソンは1日、AIと内蔵カメラを活用してリアルタイムで磨き方を助言する499ドル(約8万円)の歯ブラシ「CameraJet(カメラジェット)」を発表した。AIやカメラを搭載する機器が増える中での新製品となる。
スマート歯ブラシ自体は決して新しくない。オーラルBやフィリップスなどのブランドは、アプリと連動して磨く範囲や時間、ブラシを当てる圧力などのデータを記録する製品を販売してきた。ただ、ダイソンによると、カメラジェットは、歯垢(しこう)が硬化する歯と歯の隙間を狙ってジェット水流を噴射するためのカメラを搭載した初の製品だという。現在予約を受け付けており、ブルーとピンクの2色がある。
消費者向けテック企業は、従来はカメラを搭載していなかった眼鏡やヘッドホン、ペンダントなどへのカメラ搭載を進めている。一方で、消費者の関心はまだ低く、市場の拡大は不透明だ。カメラの有無にかかわらず、スマート歯ブラシは市場投入から数年たった現在も、ニッチな分野にとどまっていると見受けられる。昨年公表されたある調査では、参加者の85%超がスマート歯ブラシを知らないと回答した。
非上場のダイソンは、掃除機や扇風機、空気清浄機、ヘアドライヤーなど家電製品も手掛けており、歯ブラシの新製品開発に6年を費やしたという。
シニア・コマーシャル・マネジャーのニアム・ターニー氏は発売に先立つインタビューで、「この分野にも技術革新はあったが、大半はデジタル機能や歯磨きの仕様に重点を置いたもの。本当のブレークスルーはなく、そこにわれわれの出番がある」と語った。
同社は、多くの人がデンタルフロスをしばしば怠っているとみて、この層をターゲットとしている。ダイソンによると、カメラジェットは歯をきれいにすると同時に、歯茎の健康維持にも役立つよう設計されている。既存の「MyDyson(マイダイソン)」アプリとも連携し、リアルタイム映像やガイド付き清掃、磨いた範囲のマッピング、個人に合わせた歯磨きのアドバイスを提供する。
ダイソンは、2005年に生産終了となった洗濯機や19年に断念した電気自動車(EV)など、長年にわたりさまざまな製品分野への拡大を模索してきた。
一方、約400ドルのハンディー型ヘアドライヤー「Supersonic(スーパーソニック)」を16年に発売して成功を収めた後は、パーソナルケア製品を拡充。23年までに、ヘアスタイリング製品の売上高が、同社の米国事業の30%を占めるようになった。最近では100ドルの携帯扇風機「HushJet Mini Cool(ハッシュジェット・ミニ・クール)」を投入し、4月の発売以来、たびたび売り切れとなっている。
同社は現在、オーラルケアを次の主要な製品分野と位置付け、泡立たない歯磨き粉など関連製品を投入する計画だ。
ダイソンによると、カメラジェットには10万ピクセルのマクロレンズを搭載し、1秒間に28枚の画像を読み取る。約47万枚の歯科画像で学習させた機械学習アルゴリズムを採用。歯ブラシが特定の箇所を識別すると、その部分に洗口液を短時間噴射する。
ブラシヘッドは、着色汚れの除去と、歯と歯茎の境目の清掃のため硬めと柔らかめの毛を組み合わせ、振動によって磨きにくい箇所にも届くようにしたという。複数の強度設定があり、ブラシを強く押し当て過ぎると通知する機能も備える。バッテリーは1回の充電で7-10日間持続する。
原題:Dyson Debuts $499 AI-Powered Toothbrush With a Built-In Camera(抜粋)
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