(ブルームバーグ):米サイバーセキュリティー大手パロアルト・ネットワークスは、通期の利益見通しが市場予想を上回った。高度化するAIへの防御強化を急ぐ企業の需要が追い風となっている。
同社が9月1日に発表資料で示した調整後1株当たり利益(EPS)の見通しは4.16-4.19ドル。市場予想平均の4.11ドルを大きく上回った。次世代セキュリティー事業の年間経常収益(ARR)も予想を上回った。
1日の時間外取引で株価は一時6%高となったものの、その後下げに転じ、約2%安となった。同日の通常取引終値までで、今年の株価はほぼ2倍に上昇していた。
5-7月(第4四半期)の粗利益率は74.8%と、通期の75.8%を下回った。ディパック・ゴレチャ最高財務責任者(CFO)は、SaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)への移行を理由に挙げ、2027年度は「クラウドのホスティング費用が総売上高を上回るペースで増える」と説明した。
このほか、AIエージェント開発支援会社コンソールを買収したと1日に発表した。
サイバーセキュリティー業界はここ数カ月、AIを利用した攻撃やセキュリティー侵害への懸念の高まりが追い風となっている。先週にはクラウドストライク・ホールディングスが示した8-10月期の見通しが市場予想を上回ったほか、オクタは通期売上高見通しを今年2回目となる上方修正。受注残も過去最高を記録した。
一部のAIモデルは、自律的にサイバー攻撃を実行する能力を急速に高めている。アンソロピック、OpenAI、メタ・プラットフォームズはいずれもここ数週間、試験中に自社モデルがテスト環境を抜け出し、公開インターネットにアクセスして、実際のシステムへの侵入に成功したと明らかにした。
こうした事例に先立ち、アンソロピックは今春、ハッキングツールとして強力過ぎるとの懸念から、AIモデル「Mythos(ミュトス)」の公開を制限すると決定。政府やセキュリティー当局者の間に警戒が広がっていた。
パロアルトのニケシュ・アローラ最高経営責任者(CEO)は「AIの最新の進歩によって、サイバーセキュリティーは最高情報責任者(CIO)の優先課題の中でも最上位に浮上している。これは持続的な追い風になる」と述べた。
5-7月期の勢いが続くとして、8-10月(第1四半期)の売上高見通しも市場予想を上回る水準を示した。売上高は33億-33億1000万ドル(約5290億-5310億円)と予想しており、市場予想は32億1000万ドルだった。
パロアルトは05年、イスラエル軍の情報部隊「8200部隊」に所属していたニア・ズーク氏らが共同創業した。ネットワークに出入りする通信を監視するセキュリティーツール「ファイアウォール」を軸に当初の成功を収めた。現在は世界最大級のサイバーセキュリティー製品販売会社となり、AI関連の脅威から企業を守る事業への注力を強めている。
原題:Palo Alto Networks Profit Outlook Tops Estimates, Margins Narrow(抜粋)
もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
©2026 Bloomberg L.P.