(ブルームバーグ):ベッセント米財務長官は1日、20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議の終了を受けて記者会見し、中国の巨額の貿易黒字を巡る対立を理由に、同国が共同声明の発表を阻んだと述べた。
ベッセント氏は、米ノースカロライナ州アッシュビルで2日間の日程で開いた会議について、「世界最大かつ持続不可能な経常黒字を抱える中国が反対した」と指摘。「非市場経済が安価な輸出品を際限なく市場に送り出し続けることは持続可能ではない」と語った。
G20では、2022年のロシアによるウクライナ侵攻を巡って意見が対立して以降、かつて恒例だった共同声明に代わり、議長声明を発表することが慣例となっている。今回も同様の対応となった。
米財務省が公表したG20議長声明は、「過大かつ恒常的な対外黒字を抱える国は、国内消費を抑制し、成長を輸出に過度に依存させる原因となっているゆがみを是正すべきだ」と指摘。「こうした政策や慣行は、世界、地域、国内の市場に有害な波及効果をもたらし、経済的な依存を高める」とした。
ベッセント氏は、中国以外の全メンバーが議長声明を支持したと述べた。
声明によると、中国は特に、ホルムズ海峡での船舶の自由な航行、貿易不均衡のさらなる調査と是正に向けたタスクフォースの設置、国際通貨基金(IMF)が貿易不均衡を監視する権限、債務再編に関連する規定を扱った各項目に反対した。
意見交換
中国の2025年の貿易黒字は過去最高の1兆2000億ドル(現行レートで約192兆円)と、前年比20%増加した。ベッセント氏はG20を通じ、この問題を重要課題に位置付けていた。米商務省経済分析局(BEA)のデータによると、米国の昨年の対中貿易赤字は約2000億ドルだった。
ベッセント氏は、G20で中国側の代表とAIについて「限定的な」意見交換を行ったと説明。主な協議相手である何立峰副首相が今回の会合に出席していなかったとも指摘した。習近平国家主席は今月、トランプ大統領との会談のため訪米する見通しで、ベッセント氏はその際にAIが議題になるとの見方を示した。
ベッセント氏はまた、AIを巡る設備投資の急増について、生産性向上の前段階にあり、その後はインフレ抑制につながるとの考えを表明。物価に下押し圧力をかける動きは、6カ月後にも始まる可能性があると述べた。
現在AIに投じられている数千億ドル規模の投資について、ベッセント氏は「この設備投資は生産性向上につながり、極めて強いディスインフレ効果をもたらす」とし、「今後6カ月以内に、その恩恵が顕在化し始めるとみている」と語った。
原題:Bessent Says China Prevented Unanimous G20 Joint Communique (1)(抜粋)
--取材協力:Cecile Daurat.
もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
©2026 Bloomberg L.P.