鈴木農水大臣はきょう、去年放出した備蓄米のうち、21万トンを買い戻す方針を明らかにしました。コメの価格にどのような影響があるのでしょうか?

きょうから9月。「実りの秋」が近づくなか、千葉県の水田では稲刈りが始まっていました。

ここで20年以上、コメを育てる多田さん。新米の出来栄えについて尋ねると…

たわら農芸 多田善光さん
「ここ数年に比べれば、100点ですよね。収量的には去年と同等か、少し多いぐらい」

農水省はきのう、今年のコメの収穫量について、24の道府県で平均を「やや上回る」見込みだと発表しました。生産量はこれまでの予想を上回り、最大で754万トンになる見通しとなりました。

豊かに実り、首を垂れる稲穂。しかし、多田さんにはある心配が…

たわら農芸 多田善光さん
「(新米の)価格としては、去年の4割、5割ダウン。肥料も燃料も全て上がってますからね、機械代も。厳しいは厳しいですね」

前の年と比べて、新米の価格が大幅に値下がりするというのです。

今年の新米が届き始めた神奈川県の倉庫を訪れると…

ちから米穀 山下力 社長
「だいたいこの辺に見えるのは、まだほとんど7年産(去年産)ですね」

所狭しと積まれているのは、去年穫れたお米。現在、50トンほどが保管されているのですが、今後、その倍の量が届く予定です。

ちから米穀 山下力 社長
「新米のほうが安いわけですから、仕入れ価格は。7年産(去年産)はとんでもなく高いわけですよね」

深刻なコメ不足と価格の高騰に見舞われた“令和のコメ騒動”。その渦中に高値で仕入れた去年のコメはいま、「古米」となり、仕入れ値を大幅に下回る価格で販売せざるを得ないといいます。

ちから米穀 山下力 社長
「大型トラック1台で業者間で出荷するだけで、残念なことに400万円マイナスになってしまう」

去年のコメが残るうえ、豊作となった新米で在庫が積み上がり、下落が続くコメの価格。さらなる“暴落”への懸念に生産者などが頭を抱えるなか、きょう、新たな動きがありました。

鈴木憲和 農水大臣
「政府備蓄米の買い戻し手続きを開始いたします」

鈴木農水大臣が去年放出した備蓄米のうち、21万トンを去年穫れたコメで買い戻すと明らかにしたのです。

しかし、現場からは…

ちから米穀 山下力 社長
「焼け石に水みたいな。(追加の)備蓄米の買い戻しもスローになった場合は、価格はもう少し下落していく予想はできますよね」

大臣の買い戻し表明を受けて、自民党は会合を開きました。

森山裕 食料安全保障強化本部長
「政府の備蓄放出量59万トンに近づけていくことが、生産者の皆さんの安心につながる」

そのうえで、緊急決議をまとめ、先ほど鈴木農水大臣に手渡しました。

備蓄米の買い戻しによって、今後、コメの価格にはどのような影響が及ぶのでしょうか?