(ブルームバーグ):米株市場に上場を目指す企業は、9月7日のレーバーデー(労働者の日)明けに注目を集める機会をうかがっているが、米AI企業アンソロピックの新規株式公開(IPO)が影を落としている。
AIモデル「Claude (クロード)」を開発したアンソロピックは、米証券取引委員会(SEC)にIPOの申請書類を非公開で既に提出済みだ。数週間以内に書類を一般公開し、正式な上場申請手続きに入る準備を進めている。IPO規模は過去最高だった米宇宙開発企業スペースXの862億ドル(約13兆7700億円)に匹敵するか、それを上回ると見込まれる。
準備状況に詳しい関係者によると、アンソロピックのIPOが目前に迫る状況で、一部企業とその後援者は、長期志向の投資家や政府系ファンドの関心を引くことが難しいと感じている。
大型IPOに先行しようとする慌ただしさは、どこか見覚えがある。イーロン・マスク氏率いるスペースXの上場前にも同様の動きが見られ、かなり大きな企業14社が1カ月の間に相次いで上場した。ブルームバーグの集計データによれば、急いだ結果は思わしくなかった。その後の騰落率は加重平均でマイナス9.5%と低迷した。
今年の比較的大規模な新規上場案件は、全体的にパフォーマンスがよくなかった。ブルームバーグの集計データによると、IPO規模が10億ドル以上の16社の株価の上昇率は、加重平均ベースで4.2%に過ぎない。上位10件の大型案件のうち6件は、公募価格を下回っている。
最近数週間のうちに資産運用会社にIPO計画を説明した企業の業種は、AI関連に大きく偏っている。AI開発や運用を支えるGPU(画像処理半導体)クラスタやデータセンター、エネルギーインフラを統合して提供する英Nscale(エヌスケール)もアンソロピックと共にIPOの待機リストに加わった。
ソフトバンクグループが出資し、データセンター向けの発電所建設を手掛けるSBエナジーは、50億ドルを上回る規模のIPOを目指す見通しだ。
11月に米中間選挙を控えているため、IPOを目指す企業は、今後のスケジュール調整の余地が一層限られる。予想以上のインフレ過熱という要因も加わり、傍観するよりアンソロピック上場の前後を見計らい、動いた方が得策と判断する可能性もある。
バークレイズの米州株式キャピタルマーケッツ責任者ロバート・ストウ氏は「状況は少し難しくなっており、9月は非常に忙しく、10月にそれが持ち越される見込みだ。多くの動きがあろうが、数少ない機会に集中することになるだろう」と分析し、9月15、16日の連邦公開市場委員会(FOMC)会合と11月の中間選挙というハードルの存在に言及した。
原題:Anthropic’s Mega-IPO Plan Looms Over Packed US Listing Calendar(抜粋)
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