(ブルームバーグ):来週の円相場は対ドルで上昇する可能性がある。日米の協調介入により160円の壁が強固になり、ドルの上値が抑制されている。市場では米国の経済指標が注目されており、中でも雇用統計が前月に続いて労働市場の軟化を示す場合、利上げ観測が後退しドル安・円高に振れるとの見方が出ている。
◎りそなホールディングス市場企画部の井口慶一シニアストラテジスト
- 介入警戒感もあって160円に向けた力強いドル買いは鳴りを潜めている
- 米雇用統計が前月に続き弱い結果になれば、年内の利上げ予想がはく落し、ややドル安方向に行く可能性
- 200日移動平均(158円41銭)がドルの下値支持線になっているが、下回れば上値抵抗線に変わり得る
- 90日移動平均(160円08銭)と200日移動平均が逆転するとドル売りサインである「デッド・クロス」になる
- まだ距離はあるが、ドル離れを強める材料が増える一方で、どこかの時点で市場が日本銀行のタカ派姿勢に反応すれば、ドル高・円安トレンドが転換する可能性もある
- 予想レンジは158円50銭-160円50銭
◎三井住友銀行の鈴木浩史チーフ・為替ストラテジスト
- 米経済指標にらみの展開になる。雇用統計が今回もさえなければ、9月の利上げ見送り観測が強まりドル安に傾きやすい
- 日米協調介入以降、次の介入への警戒感から160円の手前でドルの上値が抑制される一方、米連邦公開市場委員会(FOMC)メンバーからインフレへの警戒や利上げに前向きな発言が出ていることがドルのサポートになっており、膠着(こうちゃく)状態が続いている
- 日本銀行の氷見野良三副総裁は講演で利上げ時期やペースを明言しておらず、積極的な円買い材料にはなりにくい
- 予想レンジは157-161円
主な予定
- 31日:20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議(9月1日まで)
- 9月1日:米S&Pグローバル製造業PMI (8月、確報値)
- 9月2日:日銀の高田創審議委員の講演と記者会見
- 9月3日:ウォラー米連邦準備制度理事会(FRB)理事が討論会に参加
- 9月3日:米ISM非製造業総合景況指数 (8月)
- 9月4日:8月の米雇用統計
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