ニューヨーク時間27日の原油相場は、薄商いの中で方向感を欠く展開。投資家は、ホルムズ海峡への臨時航路の設置を巡るイランとオマーンの合意に向けた進展を見極めようとしている。

国際指標の北海ブレント原油は、10月限の取引最終日を控えて荒い値動きとなり、1バレル=89ドル近辺で推移している。取引がより活発な11月限は87ドル前後。ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)はおおむね82—83ドル台で取引されている。

原油相場は様子見の展開が続いている。トレーダーは、ホルムズ海峡を巡るイランとオマーンの収益分配合意の詳細を待っている。合意が実現すれば、同海峡を通じたエネルギー輸送が増える可能性がある。

カタール外務省は27日、同国当局者がイランのアラグチ外相と会談し、暫定的な枠組み案について協議したとSNSへの投稿で明らかにした。枠組み案には、ホルムズ海峡に臨時航路を設けることが盛り込まれている。

イラン政府は、ホルムズ海峡を巡る合意が直ちに通航再開を意味するわけではないと繰り返し説明している。同海峡はイランと米国の対立の焦点となっている。中東諸国間の合意が、米国とイランによる戦争終結の合意につながるかは不透明だ。

ホワイトハウスのレビット報道官は27日朝、米国はイランと交渉しておらず、イランの港湾に対する海上封鎖も継続すると記者団に述べた。

MSTマーキーのシニアエネルギーアナリスト、ソール・カボニック氏は「停戦を巡ってはこれまで何度も期待が裏切られており、市場は先走って動くことに慎重になっている」と指摘した。

原油価格は年初来で40%超上昇している。米国とイスラエルが2月末に始めた紛争が半年に及び、ペルシャ湾からの供給が滞ったことが背景にある。ただ今週は、イランとオマーンの協議に加え、米国の対イラン経済措置が予想ほど厳しくなかったことから、原油価格は下落している。

原油価格は26日に一時上昇したが、その後は上げ幅の大半を失った。ロシアのプーチン大統領がウクライナでの戦争を激化させる計画だと伝わったことが背景にある。戦闘が激化すれば、ロシアからの供給がさらに滞る恐れがあり、すでにイラン戦争で混乱しているエネルギー供給に追い打ちをかける形となる。

MSTのカボニック氏は「ロシアの石油・精製インフラへの相次ぐ攻撃で、同国の石油供給全体に最大約10%の影響が出始めている。石油製品への影響はさらに大きい」と述べた。

一方で、ペルシャ湾からの原油輸送は進んでいるもようだ。貨物輸送の動向に詳しいトレーダーらの推計によると、世界の石油輸送の要衝であるホルムズ海峡を現在、日量600万—800万バレルの原油が通過している。輸送量の増加が、世界の原油価格を抑える要因となっている。

衛星画像によると、サウジアラビアはペルシャ湾内で原油の積み出しを増やしている。イエメンの親イラン武装組織フーシ派が紅海経由の輸出を脅かす中、世界最大の原油輸出国であるサウジが輸送ルートを切り替えつつあることを示している。

ただ、リスクは残っている。英国海事貿易機関(UKMTO)によると、25日にホルムズ海峡でタンカーが正体不明の飛翔体による攻撃を受けた。この事案について、現地当局が調査しているという。

ニューヨーク時間午後0時02分時点で、北海ブレント10月限は前日比1.10ドル(1.3%)高の1バレル=88.94ドルで取引されている。ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)10月限は、同42セント(0.5%)高の82.65ドル。

原題:Oil Wavers as Traders Weigh Hormuz Talks, Supply Risks(抜粋)

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