(ブルームバーグ):グリア米通商代表部(USTR)代表は最終的に決裂した米国とカナダの通商交渉について、中・大型トラックは関税引き下げの対象にならないとカナダ側に明確に伝えていたと述べた。交渉決裂の責任をめぐり、当局者の間で再び非難の応酬となっている。
1週間前には、関税を引き下げる暫定合意に向けて両国は前進しているように見えた。しかし、カナダ製自動車の関税を含む複数の問題で協議は決裂した。米政権は関税率を25%から15%に引き下げる用意があったものの、その対象は乗用車とライトトラックだけだった。
この条件では、大型トラックを生産するゼネラル・モーターズ(GM)やフォード・モーターのカナダ工場にリスクが生じる可能性があった。
グリア氏は26日放送のカナダ放送協会(CBC)とのインタビューで交渉決裂について語り、何が問題だったのかを巡るカナダのカーニー首相の説明に反論した。
グリア氏は「中・大型トラックの問題については、ここ数週間にカナダ側と協議してきた際に、自動車を含め、米国として何を実現できると考えているのかを明確に伝えてきた」と述べた。中・大型トラックへの関税は、乗用車などへの関税とは異なるトランプ大統領の措置に基づくため、別の問題だと指摘した。
カーニー氏は、トランプ政権が交渉終盤になって新たな要求を持ち出し、合意文書の草案で米国側の譲歩範囲を狭めたことが交渉決裂の原因だとしている。また、米国側が、動画配信サービスに対しカナダのコンテンツやフランス語コンテンツを優先的に扱うよう求める規則を緩和するよう要求してきたとも述べている。
これに対しグリア氏は、この問題は米国にとって決して譲歩できないと考えていたわけではないと説明した。米国の交渉担当者がそれ以上に強く懸念していたのは、娯楽コンテンツの配信事業者に対し、収益の一部をカナダのコンテンツに充てるよう義務付けるカナダの規則だったという。
グリア氏はCBCに「これは議題となったが、当方はかなり柔軟な姿勢を示した」と述べ、「譲れない一線からは最も遠い問題だ。われわれが本当に重視していたのは、そうした税金だった」と語った。
交渉が行き詰まると、米国はカナダ製品に対する新たな50%関税を22日に発動した。カーニー政権は今週、9月8日に発動する報復関税を発表した。これに対しトランプ氏は、来年1月1日に自動車関税を50%に引き上げ、カナダ製自動車部品にも関税を課すと予告した。
グリア氏は、カナダによるさらなる報復措置を米国が「黙って受け入れる」ことはないと述べた。
原題:Greer Disputes Canada’s Account of Heavy Truck Tariff Talks(抜粋)
もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
©2026 Bloomberg L.P.