27日の日本市場は東証株価指数(TOPIX)が上昇。米エヌビディアがAI需要拡大で強気の売上高見通しを示し、AI・半導体関連の一角を中心に買いが広がっている。日本銀行の氷見野良三副総裁講演を前に円は対ドルでやや上昇、債券はもみ合っている。

電気機器や銀行を中心にTOPIXが上げている。キオクシアホールディングス、古河電気工業やフジクラなどAI・半導体関連が高く、機械や化学も買われている。半面、サービスやゲーム株などは安い。円相場は対ドルでニューヨーク市場終値比で小幅高、債券の値動きは大きくない。

金融市場では9月会合での日銀利上げ(0.25ポイント)確率が8割を超え、年内ではほぼ1.5回分の利上げを織り込んでいる。今後の利上げペースを占う上で氷見野副総裁の発言が注目され、内容次第では相場の変動要因になりそうだ。

みずほ証券の松尾勇佑シニアマーケットエコノミストは27日付リポートで、氷見野副総裁の講演について「9月利上げに向けた地ならし的な発言が出てくる可能性がある」と指摘した。利上げについては9月、その後は27年1月と6月として最終到達点(ターミナルレート)は1.75%と引き続き予想しているとした。

株式

TOPIXが6日連続で上昇している。岩手県内に製造棟を新設することが分かったキオクシアHDが上げている。一時700円近く上げた日経平均株価は下げる場面がある。

エヌビディアのコレット・クレス最高財務責任者(CFO)は決算発表後の電話会見で「2028年度の売上高は約70%増加すると予想している」と述べた。AI投資を巡る懸念が和らぎ、同社株は米国市場の時間外取引で上昇した。

野村証券の伊藤高志シニア・ストラテジストは「エヌビディア株は決算後のアナリストの予想修正を待たずに上昇しており、市場は業績見通しをある程度前向きに受け止めている」と指摘。日本の関連銘柄にも追い風になると話した。

伊藤氏は日本企業の業績の市場予想はほぼ全業種で上振れており、今後も物色の裾野は広がりそうだが、「中でも成長度合いが大きいAI・半導体関連がやはりけん引役になる」との見方を示した。

為替

円は159円台前半で推移。米物価指標を受けた米金利上昇がドルを支える一方、氷見野副総裁の講演を控えて円は小幅高となっている。

みずほ銀行国際為替部の長谷川久悟マーケット・エコノミストは、米個人消費支出(PCE)について「インフレの減速が遅いと市場は理解した」と述べた。ドルが「ここまで反応するのは意外だった」とし、ベッセント米財務長官のバイバック発言でドルが弱かった局面があり買い戻されやすかったのだろうと述べた。

きょう予定されている日銀の氷見野副総裁の講演や、午後の記者会見での発言次第では、値動きが大きくなる可能性がある。

三井住友信託銀行ニューヨークグローバルマーケッツ部の山本威調査役は氷見野副総裁の講演について、「きょう一番の注目のトピック」とし、市場は9月会合での利上げに向け、より明確な示唆が出るかに注目していると指摘した。また、利上げ期待が高い中で、ハト派的な発言があると市場が反応するリスクがあると述べた。

債券

債券相場はもみ合い。先物は前日終値を挟んだ取引で、長期金利(10年国債利回り)は小幅に低下する場面がある。

三菱UFJアセットマネジメントの小口正之エグゼクティブ・ファンドマネジャーは、日銀の利上げペースが早まるとの見方が債券相場の上値を抑えると指摘。きょうの氷見野副総裁の講演に続き、米ジャクソンホール会合や東京都区部の消費者物価指数(CPI)など金融政策を巡る材料が相次ぐことも、債券相場の重しになるとみている。

小口氏は氷見野氏の講演について、「どういう発信をするのか債券市場も注目している」という。日銀がここ数カ月、物価上振れへの警戒を強めていると指摘した。

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