(ブルームバーグ):英銀バークレイズが、8年前にクレディ・スイスから分離独立したヘッジファンド、キューブ・リサーチ&テクノロジーズ(QRT)との取引を急拡大させている。事情に詳しい関係者が明らかにした。バークレイズのプライムブローカレッジ事業好調の裏に、QRTとの取引があることが浮き彫りとなった。
部外秘の情報だとして匿名を要請した関係者によると、QRTとの取引の想定元本は1000億ドル(約15兆9400億円)を超え、バークレイズのプライムブローカレッジ事業にとって最大の顧客の1社となった。この想定元本の額は相殺される取引を考慮せず、すべてのポジションの額面を合計した数字だという。
ウォール街の金融機関にとって、プライムブローカレッジはここ数年で大きな収益源に成長した。5兆6000億ドル規模に拡大したヘッジファンド業界をけん引するマルチストラテジー型ファンドは、収益を上げるために高いレバレッジを活用する。プライムブローカーはヘッジファンドに資金や証券を貸し出し、取引の決済を行うほか、資金調達の支援など各種コンサルティングサービスも提供する。
規制当局への届け出資料によると、QRTのプライムブローカーにはJPモルガン・チェース、ゴールドマン・サックス・グループ、モルガン・スタンレー、UBSグループも名を連ねている。事情に詳しい関係者によれば、QRTは株式取引で15行、債券レポ取引で30行と取引関係を持っている。
バークレイズの広報担当者は「数字は想定元本であり、銀行が実際に抱えるエクスポージャーと同じではない」と説明。「相殺されるポジションやネッティング、担保、その他のリスク軽減措置を踏まえれば、バークレイズのエクスポージャーは大幅に小さくなる」と述べた。
QRTの運用資産は550億ドル。同社の代表はコメントを控えた。JPモルガン、ゴールドマン、モルガン・スタンレー、UBSの広報担当者はコメントを控えた。

事情に詳しい関係者によると、バークレイズのプライムブローカレッジ事業は全般的に、QRTなどクオンツ取引に基づく運用会社に注力している。バークレイズは株式と債券の両方でプライムブローカレッジ・サービスを提供している。
プライムブローカレッジは、バークレイズのマーケッツ部門に安定した収入をもたらしており、ここ数四半期は株式関連収入を押し上げている。債券・株式の顧客向けファイナンスを含むグローバル・マーケッツの1-3月(第1四半期)収入は、前年同期比23%増の約10億ポンド(約2160億円)だった。
QRTは2018年、約100人の陣容で経営陣による買収(MBO)を通じ、クレディ・スイスから独立。その後、裁量取引も手掛けるマルチストラテジー型ヘッジファンド大手に進化を遂げた。
原題:Barclays Grows Trades With Hedge Fund QRT to Over $100 Billion(抜粋)
--取材協力:Donal Griffin.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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