(ブルームバーグ):フィデリティ・インターナショナルのファンドマネジャー、マイク・リデル氏は今年に入って、利下げ観測への逆張り取引で利益を上げた。今は市場が利上げを織り込み過ぎているとみて、従来の見方を反転させている。
約6億9700万ポンド(約1500億円)の資産を運用するリデル氏はインタビューで、「最も確信を持っているのは世界の金利市場で、短中期ゾーンにかなり強気だ」と述べた。
同社では、リデル氏がラビン・セーネバッセン氏、ティム・フォスター氏と共同運用する2本の戦略債券ファンドで米5年債先物のポジションを保有しており、ベンチマークに対して米国債をオーバーウエートとしている。リデル氏は自身の見方が変わった理由として、原油価格の急騰を受けて過去1カ月に市場で中央銀行の政策見通しを巡るリプライシングが進んだことを挙げた。
債券市場は今年、イラン戦争とそれに伴う原油価格の動向に翻弄されており、直近では停戦の崩壊を受けて相場が大きく振れた。戦闘再開後に利上げ観測が強まり、市場は現時点で米連邦準備制度(FRB)が年末までに24ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の利上げを実施すると見込んでいる。6月初め時点では6bpだった。

同社は物価の伸びが予想を上回るリスクへの備えとして、米国の2-3年物インフレスワップのポジションを維持しているが、リデル氏は米国を含む複数の先進国・地域で景気減速の兆しが見られることから、金利見通しを転換したとも説明した。
12日に発表された7月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比で3.4%上昇と、市場予想と一致した。これを受けて、市場ではFRBによる来月の利上げ観測が後退した。9月の利上げ確率は現在、2カ月ぶりに40%を下回っている。
「インフレ率は予想を下振れるケースが相次いでおり、二次的な波及効果を示す兆候もみられない」とリデル氏は指摘。「米国では労働市場が冷え込みつつあることを示す兆候も出ている」と述べた。
フィデリティの逆張り戦略は奏功している。2本の同戦略債券ファンド(運用資産計4億7900万ポンド)は、年初来で同業ファンドの8割超を上回る成績を上げている。ただ、米国とイランの停戦合意が当初成立した6月にインフレ期待が急低下した際には「多少の痛手を受けた」という。
リデル氏は短中期ゾーンには強気に転じたものの、財政赤字の拡大を警戒し、米長期債への投資は避けている。
さらに、2022年の英国など一部の政府は、増税や歳出削減を伴わない大幅な歳出拡大に対する債券市場の反応を痛い形で思い知らされた一方、米国などは「まだ本格的な試練にさらされていない」と語った。
原題:Fidelity International’s Riddell Flips to Bullish on US Rates(抜粋)
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