(ブルームバーグ):12日に行われた米10年債入札(発行額420億ドル)で、最高落札利回りは、世界金融危機の兆候が表れ始めた2007年以来の高水準となった。米政府への資金提供に高い見返りを求めてきた投資家から、まずまずの需要が集まった。
最高落札利回りの4.683%は、ニューヨーク時間午後1時の入札締め切り直前に市場で付けていた水準をわずかに上回った。これは需要が予想をわずかに下回ったことを示す。米国債相場は入札後もこの日の上昇を維持した。
13日には30年債の入札が予定されており、約25年ぶりの高い利回りが見込まれている。インフレ率が連邦準備制度理事会(FRB)の目標を上回り、財政赤字が膨らんでいることが、長期債利回りの高止まりにつながっている。
アメリベット・セキュリティーズの米金利取引・戦略責任者、グレゴリー・ファラネロ氏は「巨額の財政赤字、堅調な成長、戦争、そしてFRBの目標を上回るインフレを踏まえると、利回りが低下するのは依然として難しい」と述べた。
この日の取引序盤では、米消費者物価指数(CPI)が予想通りの内容となったことを受け、トレーダーらは次回9月の連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利が引き上げられるとの見方を後退させた。スワップ市場が織り込む利上げ確率は約40%と、統計発表前の約50%から低下した。
FRBの短期的な政策変更に最も敏感に反応する2年債利回りは、一時4.16%まで下げた。それでも投資家は年末までの利上げを引き続き完全に織り込んでおり、物価圧力への懸念を浮き彫りにしている。
アビバ・インベスターズのシニア債券ポートフォリオマネジャー、スティーブ・ライダー氏は「今回のデータは9月の利上げ観測を引き続き維持させる一方、FRBが直ちに行動する必要性を示すものではない」と指摘。「政策当局者は年内に追加の金融政策引き締めが必要かどうかを判断する前に、次回のCPIと雇用統計を一段と重視する可能性が高い」と述べた。
ナティクシスの米国担当チーフエコノミスト、クリストファー・ホッジ氏は「今後開かれるFOMC会合はいずれも、何らかのサプライズが出てくる可能性を織り込む必要があるだろう」と語る。インフレが目標に向けてゆっくりと段階的に低下している状況と、個人消費の冷え込み、不透明感を増す雇用見通しを考えると「FOMCは辛うじて利上げを回避できると当社では引き続き考えている」と述べた。
月末にワイオミング州ジャクソンホールで開催される中央銀行の年次シンポジウムも、FRBの政策協議を巡る何らかの手掛かりが示されるかに注目が集まる。
ウォーシュFRB議長は5月に就任して以来、FRBの政策軌道について市場にガイダンスを示すことを控えてきたが、ジャクソンホールは同氏にとって「インフレに関するメッセージを微調整する」機会になると、アメリベットのファラネロ氏は述べた。
ハートルのブラッド・コンガー最高投資責任者(CIO)は「広範なインフレを抑える方向に作用する要因が多く、とりわけ実質賃金が横ばいにとどまっている」との確信に基づき、当社では利回りが5%を上回る20年債への投資を増やしていると述べた。
原題:US Sells 10-Year Bonds at Highest Yields Since Financial Crisis(抜粋)
--取材協力:Elizabeth Stanton、Cameron Fozi、Ye Xie.
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