円トレーダーは重要な米インフレ統計の発表を前にオプション市場での取引を活発化させている。円相場の方向性を巡るコンセンサスが定まらない中、柔軟性を確保するためデリバティブを活用している。

ドル・円の1週間物オプションのインプライド・ボラティリティー(予想変動率)は12日に2営業日連続で上昇した。トレーダーが米国でこの日発表される消費者物価指数(CPI)をにらんでポジションを構築しているためだ。同統計は米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策見通しやドルの方向性を左右すると予想されている。より長い期間の予想変動率も小幅に上昇した。

ボラティリティーの上昇は、市場の見方が分かれていることを映している。短期のオプションでは、日米による協調介入への警戒が残る中、ドル・円が突然下落した場合に備える需要を反映し、ドル・円のプットがコールより割高な水準で取引されている。一方、より長い期間では、投資家はドル・円の再上昇を見込んでコールを買い続けている。

バンク・オブ・アメリカ(BofA)でアジア太平洋地域のG10通貨取引責任者を務めるイワン・スタメノビッチ氏は「市場は確信よりも柔軟性を重視している」と指摘。「これは統計発表を巡るリスクと、さらなる介入に対する根強い警戒感の両方を反映している」と述べた。

過去2週間、ドル・円相場は激しく変動している。円の下支えに向けた日米協調介入を受け、ドルは対円で1ドル=155円近辺まで急落した。日米による円買いの協調介入は1998年以来初めて。その後まもなくドルは再び上昇し、160円に迫ったため、トレーダーは当局によるさらなる措置を警戒している。

ソシエテ・ジェネラルとBofAのオプショントレーダーは先週、資金フローを根拠に、ドル・円の方向性を巡り投資家の見方が分かれていると指摘した。シティグループも同様の見方を示している。

シティのシンガポール拠点でG10外国為替オプション取引チームのディレクターを務めるニッキー・ラム氏は「短期的に方向性を見込んだ資金フローは、主にレバレッジを活用した取引を通じて円高方向に偏っている」と指摘。「中期的には引き続きドル・円のコールに対する需要が見られる」と述べた。

原題:Yen Traders Use Options for ‘Flexibility’ Into US Inflation Data(抜粋)

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