(ブルームバーグ):12日の日本市場は債券が下落(利回りは上昇)し、新発5年債利回りは過去最高水準を更新した。日本銀行の早期利上げ観測の高まりを受け、金融政策に敏感な年限の短い金利を中心に上昇圧力が強まった。円は対ドルで159円台半ばに弱含み。株式は続伸し、東証株価指数(TOPIX)は終値で最高値を更新した。
新発5年債利回りは一時前営業日比3.5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)高い2.12%まで上昇し、2000年の発行開始以来の最高水準を塗り替えた。新発2年債利回りも3.5bp高い1.645%を付け、1995年以来の高水準を更新。スワップ市場が織り込む日銀の9月利上げ確率は約8割に達した。
三井住友トラスト・アセットマネジメントの稲留克俊シニアストラテジストは「日米協調の円買い介入は日銀の9月利上げが前提だったという報道を受けて中長期債が売られた」と話した。
日米両政府が7月31日(米東部時間)に実施した円買い協調介入は、日銀の植田和男総裁が9月の利上げを強く示唆したことが決め手となったと、共同通信が日本政府関係者を引用して報じた。
債券
債券は下落。日銀の早期利上げ観測を背景に売りが優勢となった。この日行われた10年物価連動国債入札は波乱なく消化された。
10年物価連動国債入札は最低落札価格が97円70銭と市場予想(97円25銭)を上回った。最高落札利回りは0.86%と08年以来の高水準だった。応札倍率は3.27倍(前回5月入札は3.4倍)。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券の鬼沢拓也債券ストラテジストは「先々のインフレ上昇への警戒が強い中、投資家の需要が集まりやすかった」とし、入札は「強めの結果だった」と話した。
入札結果発表後も債券相場は下落基調が続いた。鬼沢氏は、日銀利上げ観測を反映した動きだと指摘。9月利上げが完全に織り込まれれば「2年債利回りは1.7%程度、5年債利回りは2.15%程度まで上昇してもおかしくない」と言う。
新発国債利回り(午後3時時点)
為替
円は対ドルで軟調に推移。ホルムズ海峡を巡る不透明感から原油価格が高止まりしていることがドル買い材料となり、円は日米協調介入による上昇幅の半分を失っている。市場は12日夜に発表される7月の米消費者物価指数(CPI)を注視している。
みずほ銀行国際為替部為替スポットチームの南英明ディレクターは「日銀は9月に利上げしても、その後の利上げペース加速はなかなかできないだろう」と指摘。高市政権の積極財政を含め「円安の根本原因は変わっていない」とし、米CPIが強い結果になれば、ドル・円は「自然体で160円台を回復する」と予想する。
株式
TOPIXは6営業日続伸。堅調な業績が支えになったほか、日銀の早期利上げ観測を受けて銀行株が相場をけん引した。韓国株の強含みを追い風にAI・半導体関連にも買いが広がった。
業種では電機や非鉄、サービス、化学なども高く、TOPIX構成銘柄の6割超が上昇。半面、商社や医薬品、小売りなどは売られた。米CPIへの警戒が重しとなり、日経平均株価は下落する場面があったが、午後には上昇に転じた。
大和アセットマネジメントの建部和礼チーフストラテジストは「米CPIは一定の警戒感がある一方、しっかり下振れれば米利上げ観測が一段と後退し、グロース株中心に株式の追い風になりやすい」と述べた。
アイザワ証券投資顧問部の三井郁男ファンドマネジャーは「企業決算は幅広い業種で想定より良好で、AI関連株からより広範な銘柄に分散投資を進める流れが出てきている」と指摘する。
野村証券は10日、TOPIXの年末見通しを4200から4400に上方修正した。値上げや円安といった要因を背景に業績見通しを引き上げたことを反映した。
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