(ブルームバーグ):12日の日本市場は債券が下落(利回りは上昇)。新発5年債利回りは過去最高水準を更新した。日本銀行の早期利上げ観測の高まりを受け、金融政策に敏感に反応する年限の短い金利の上昇圧力が強まっている。円は対ドルで159円台前半で推移。株式は東証株価指数(TOPIX)が6営業日続伸している。
新発5年債利回りは一時、前営業日比2ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)高い2.105%を付け、2000年の発行開始以来の最高水準を更新した。新発2年債利回りも3bp高い1.64%と1995年以来の高水準を更新。新発10年債利回りは2.5bp高い2.83%で取引されている。スワップ市場が織り込む日銀の9月利上げ確率は8割近くまで上昇している。
三井住友トラスト・アセットマネジメントの稲留克俊シニアストラテジストは「日米協調の円買い介入は日銀の9月利上げが前提だったという報道が相次いでおり、中長期債の売り手掛かりになる」と語る。この日行われる物価連動債入札については「円安や原油価格の高止まりを受けてインフレ期待の上昇が見込まれるため、しっかりした結果になる」と予想している。
債券
債券は中長期債が下落。日銀の早期利上げ観測が重しになっている。
日米両政府が7月31日(米東部時間)に実施した円買い協調介入は、日銀の植田和男総裁が9月の利上げを強く示唆したことが決め手となったと、共同通信が日本政府関係者を引用して報じた。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券の六車治美チーフ債券ストラテジストはリポートで、円安加速や日銀のインフレ対応が後手に回るビハインド・ザ・カーブへの懸念による国債利回り上昇を抑制したい日米政府と、「基調的な物価上昇率の上振れリスクを警戒する日銀の方向性が現時点では一致していることは間違いなさそうだ」と指摘した。同証は3日に日銀の利上げ予想時期を従来の12月から9月に前倒しした。
為替
円は対ドルで159円台前半で推移。ホルムズ海峡を巡る不透明感から原油価格が高止まりしていることがドル買い材料となり、円は日米協調介入による上昇幅の半分を失っている。市場は12日夜に発表される7月の米消費者物価指数(CPI)を注視している。
三菱UFJ信託銀行ニューヨーク支店資金証券室のファーストバイスプレジデント、小野寺孝文氏は、ホルムズ海峡を巡る緊張感の高まりがドルを支えているが、介入警戒感もあり「一方的な円安にはなっていない」と指摘。「米CPIが上振れれば年内の米利上げ観測が高まり、ドル・円は160円を突破する一方で、下振れれば158円を割り込む」と予想する。
株式
TOPIXは6営業日続伸。堅調な業績が支えになっているほか、日銀の早期利上げ観測を受けて銀行株が高い。
業種ではサービスや化学なども高く、TOPIX構成銘柄の約6割が上昇。半面、非鉄や医薬品などは安い。米CPIへの警戒や米株安が重しとなり、日経平均株価は下落する場面がある。
大和アセットマネジメントの建部和礼チーフストラテジストは「米CPIは一定の警戒感がある一方、しっかり下振れれば米利上げ観測が一段と後退し、グロース株中心に株式の追い風になりやすい」と指摘。これまで発表された決算ではAI関連がしっかり強く、AI以外も強い内容が多いことは相場の支えになると述べた。
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