(ブルームバーグ):欧州では今週、再び猛烈な熱波が広がる見通しだ。すでに乾燥が進んでいる中、熱波により山火事のリスクが高まり、農作物が脅かされるほか、危機的な水準となっている域内の河川の水位がさらに低下する恐れがある。
フランス気象局によると、高気圧による「ヒートドーム」の影響で、フランス北部では11日に気温が40度近くまで上昇する見通しだ。欧州中期予報センターのデータによると、イングランド南部では30度台半ば、フランクフルトでは14日に38度に達する可能性がある。
欧州での熱波は今年5回目で、水分を含んだ雲の流入が妨げられ、ライン川、ポー川、ドナウ川などの水位回復が進まない可能性が高い。こうした大規模河川では、水位が過去最低水準に落ち込んでおり、船舶の航行や発電に支障が生じている。欧州は世界で最も急速に温暖化が進む大陸で、気候変動による極端な高温の頻度と厳しさが増している。電力網への負荷は高まり、水資源が減少し、農業生産も抑制されている。
今週は、アルプス山脈とその南側の地域で散発的に雷雨が発生する可能性があるものの、英民間気象予報会社メットデスクのダニエル・ガードナー・デクローデュール氏の分析によると、主要河川の「下流の流量に大きな変化をもたらす可能性は低い」。
ドイツ南部やスイス向けの河川輸送の要衝となっているライン川のカウプでは、水位の低下が続いている。水位は1週間前に24センチと、1880年の観測開始以来の最低を記録し、10日は16センチとなった。連邦水路・海運管理局の予測によると、猛暑と少雨が続く中、14日までに4センチに低下する可能性がある。
Epexスポットのデータによると、フランスとドイツの電力当日物価格は、太陽光発電量が減少し、冷房需要が高まる午後8時から10時の夕方のピーク時間帯に1メガワット時当たり170ユーロを上回った。午後1時ごろの1メガワット時当たり20ユーロ未満と比べると大幅に高い水準だ。
イタリアとクロアチアには最高レベルの赤色警報が発令されているほか、フランス南東部、スイス北部、ポーランド西部、欧州南東部の大部分では、一段下の琥珀色警報が出されている。
高温で乾燥した天候がさらに続くとの予報を受け、多くの国で山火事の危険性も高まりそうだ。欧州連合(EU)の執行機関・欧州委員会の共同研究センター(JRC)のモデルによると、今週は英国、スペイン、フランス、ドイツ、イタリアで山火事の危険度が高まっている。
原題:Europe’s Fifth Heat Wave Risks Straining Rivers, Power and Crops(抜粋)
--取材協力:Paul Tugwell、Eamon Farhat.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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