中東から中国への主要航路で原油を運ぶ超大型タンカー(VLCC)の用船料は、1日当たり50万ドル(約7950万円)近くまで上昇した。イラン戦争が続く中、多くの船主がホルムズ海峡への航行を敬遠しているためだ。

船舶契約データによると、世界最大のVLCC船主である韓国の長錦商船(シノコー)グループが、ペルシャ湾内で積み込んだ原油をアジアへ輸送するため、自社船1隻を暫定的に極めて高い運賃で貸し出したことが今回の上昇につながった。この主要航路の用船料は8日、6月以来の高水準となった。

シノコーは通常の営業時間外だったため、コメント要請に直ちには応じなかった。

ホルムズ海峡を通過しようとする船舶が断続的に攻撃を受ける中、ペルシャ湾内の港に寄港する意思のある船主は減少している。ただ、一部の船舶は引き続き同海峡を航行している。ペルシャ湾内からの輸送の多くは、中東の産油国が管理する船舶や、非公開企業であるシノコー、あるいは危険を承知で紛争海域への航行を引き受ける少数の海運会社の船舶によって行われている。

その結果、この航路で公表される用船契約は減少し、市場の流動性が低下するとともに、VLCC用船料の主要指標の算出も難しくなっている。この混乱を受け、世界有数のコモディティートレーダーの1社は、この指標を公表するバルチック取引所を提訴した。

バルチック取引所は8日、中東から中国への航路(業界で「TD3」と呼ばれる)のVLCC用船料を1日当たり49万8000ドルと算出した。1週間前は1日当たり42万8000ドル、イラン戦争勃発直前には20万ドル強だった。

クラークソンズ・セキュリティーズのフローデ・モルケダル氏らアナリストはリポートで、「ホルムズ海峡内で積み込む船舶の船主は、希少性プレミアムを享受している」と指摘した。一方、オマーン湾で積み込み、アジア向けに航行する船舶の用船料は1日当たり約14万7000ドルにとどまっているという。

原題:Hiring an Oil Tanker From the Mideast Surges to $500,000 a Day(抜粋)

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