三菱電機とソニーグループの半導体子会社は22日、製造業向けのAI搭載ビジョンセンサーを開発する合弁会社を設立すると発表した。工場内の設備や製品、人の動きを画像で把握し、生産設備の制御に活用することで、省人化や無人化を支援する。

両社の発表によると、社名は「アドバンスト ビジョン ソリューションズ」で、三菱電機が60%、ソニーセミコンダクタソリューションズが40%を出資。10月の事業開始を予定している。

新会社は、三菱電機が長年培ってきたファクトリーオートメーション(FA)の制御技術と、ソニーGのイメージセンサーやエッジAI技術を融合。イメージセンサー上でAIが映像を解析する技術を活用し、ビジョンセンサーソリューションを開発する。

ブルームバーグ・インテリジェンスの若杉政寛アナリストは、今回の提携について、ソニーGにとって「イメージセンサーの用途拡大戦略の一環だ」と指摘。FA分野で高い競争力を持つ三菱電機と組むことで、製造現場向けにイメージセンサーの活用領域を広げる狙いがあると分析した。

人手不足が深刻化する製造現場では、従来は作業員の経験に依存してきた検査や設備調整を自動化する需要が高まっている。この分野での競争力強化が重要な課題となるなか、今回の提携は、製造現場のFA領域におけるフィジカルAIの社会実装を後押しする。

ソニーGは米アップルのスマートフォン「iPhone」向けを中心にイメージセンサー事業を展開してきたが、市場の飽和や部品コストの急騰を背景に、同事業の顧客基盤の多角化が課題となっていた。5月には、設備投資を抑える目的で、台湾積体電路製造(TSMC)と次世代イメージセンサーの開発・製造で提携する方針を発表した。

ソニーGの十時裕樹最高経営責任者(CEO)は6月の株主総会で、フィジカルAIの普及に伴って高まる需要について、「要求に応える高性能なイメージセンサーの開発や製造が可能だ」と強調し、産業用ロボット向けなどへの展開を進める考えを示していた。

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