(ブルームバーグ):ブラジルで中国による牛肉輸入枠の設定の影響が広がり始めている。最大の輸出先である中国向けの出荷減少が、食肉業界のサプライチェーン全体に影響を及ぼし始めている。
ブラジル牛肉輸出業協会(Abiec)は16日、通常であれば中国向けとなる出荷分について、食肉加工業者の選択肢が狭まっていると説明した。ブラジルは同時に、欧州市場から締め出されるリスクにも直面している。
ブラジルが12%の軽減関税で中国に牛肉を輸出できる110万トンの優遇枠は、既に使い切られた。この枠を超えた出荷分には現在、55%の追加関税が課されている。
ブラジル各社は規制発効前の今年上期に中国向け輸出を急いだ。米国が有力な輸出先として再び存在感を高め、ロシアも重要な買い手となったものの、いずれの市場も中国に代わる規模には及ばない。
Abiecのロベルト・ペローザ会長は記者会見で、「中国が購入する量を吸収できる市場は他にない」と指摘した上で、同国との交渉の余地は見えないと述べた。
同氏によると、中国の輸入抑制は、牧畜業者や食肉加工会社、冷蔵倉庫事業者に加え、牛の副産物を原料に使う製薬会社にも影響を及ぼしている。
一部の食肉加工会社では既に人員削減が始まっており、需要低迷への対応として従業員を一斉に一時帰休させる企業もある。中国の緊急輸入制限措置は3年間続く見通しであることから、企業は一時的な減速ではなく、長期的な事業環境の変化を前提に対応を進めている。ペローザ氏によると、利益率への圧力が強まる中、大手食肉会社が小規模な同業他社を買収するなど、業界再編が加速する可能性もある。
ペローザ氏によると、Abiecはブラジルの中国向け牛肉輸出量が2025年の約165万トンから大幅に減少すると見込んでいる。ブラジルの牛肉輸出全体も今年は約10%減少する見通しだ。今年後半は、ブラジル産牛肉を巡る買い付け競争が和らぐことで、輸出価格は下落すると予想されている。
不確実性をさらに高めているのが欧州市場の動向だ。ブラジルは、食用家畜への抗菌剤の過剰使用を禁じる欧州連合(EU)の規則にまだ適合しておらず、市場から締め出される可能性に直面している。
ペローザ氏は、EU向け輸出は中国向けに比べて規模がはるかに小さいものの、EUが下す決定の影響は世界市場全体に波及すると指摘した。
「EUが決定を下せば、たとえEU向け販売量が比較的少なくても、その影響は世界全体に及ぶ。われわれは、同地域との貿易を維持できる解決策を見いだすために取り組んでいる」と同氏は述べた。
原題:China Beef Curbs Start Rippling Across Brazil Meat Industry (1)(抜粋)
(ブラジル食肉業界にダブルパンチ-中国輸入規制と)
--取材協力:Ilena Peng.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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