(ブルームバーグ):東京都の小池百合子知事は、円安が東京で事業を展開する海外のスタートアップや投資家にとって追い風になるとの見方を示した。優秀な人材を比較的低いコストで採用できるためだという。
小池氏はニューヨーク市でブルームバーグのインタビューに応じ、「東京には男女を問わず、高度な技能を持つ素晴らしい人材が数多くいる」と述べた。円が対ドルで約40年ぶりの安値圏で推移する中、「こうした人材を効果的に雇い入れることができる」ため、円安は海外企業にとって「メリットがある」との見方を示した。
円安は海外で収益を使いたいと考えている日本在住の起業家にとって、購買力を低下させる要因となるが、小池氏は円安のデメリットに関する不満は聞いていないと付け加えた。
小池氏は、東京を国際金融都市としてアピールすることを目的に東京国際金融機構(FinCity.Tokyo)が主催したフォーラムへの出席に加え、国連で開かれた会議に参加するためにニューヨークを訪れていた。
東京都は小池氏の下で、経済成長とイノベーションの促進に向け、東京の国際金融都市としての地位確立を目指すとともに、スタートアップが集積する拠点として発展させる取り組みを進めてきた。
東京は、米調査会社スタートアップ・ゲノムがまとめた2026年版「グローバル・スタートアップ・エコシステム報告書」で12位となり、北京やシンガポール、ソウル、上海などアジアの競合都市を下回った。
小池氏は、アジアの他都市との海外人材や企業の誘致競争を踏まえ、日本の安定性や開放性をアピールすることが重要だとの考えを示した。
東京や日本の強みについて、「第一に民主主義であること、第二に法の支配が確立されていること、第三に言論の自由があることだ」と述べ、この三つの特長によって「アジアにおいて、東京は優れている」と語った。
小池氏は、東京都が海外の専門人材にとって働きやすい環境整備を進めていると説明した。企業に投資家向け広報(IR)資料の多言語化を促すほか、起業支援やインターナショナルスクールの拡充にも取り組んでいるという。
一方、政府は最近、経営・管理ビザの要件を厳格化した。このため、小規模事業者の一部が日本での事業展開を断念せざるを得なくなるとの懸念が出ている。
小池氏は、新たな規制について、金融分野や高度な専門知識を持つ人材にとっては問題にならないとの認識を示した。また、東京都は国の成長戦略を支援するため、政府と協議を重ねているという。スタートアップが課題に直面した場合には、「ハードルとなっていることについては、国に対してしっかり伝えていくチャンネルを確保している」と述べた。
原題:Weak Yen Gives Tokyo Edge in Global Startup Race, Governor Says(抜粋)
--取材協力:関根裕之.
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