米アルファベット傘下のグーグルは、最上位AIモデル「Gemini 3.5 Pro」の投入で予定より数カ月遅れている。背景には、とりわけコーディング能力の向上を目指し、性能改善に時間を費やしていることがある。事情に詳しい関係者が明らかにした。

現・元社員10人によると、今回の遅延はグーグルのエンジニアやAI研究者、管理職らの間で不満の原因となっている。競合のアンソロピックやOpenAIがGeminiを上回る高性能モデルを投入する中、市場での優位性を失いかねないと危惧する声も出ているという。

グーグルではモデル公開の準備には複数の関係部署が関与しているほか、検索やマップ、YouTubeなど幅広い製品群にAIを実装する取り組みを進めており、遅延の原因になっているという。匿名を条件に関係者が明らかにした。

OpenAIとメタ・プラットフォームズはいずれも最近、コード生成AIで、グーグルの現行モデルをさらに上回る新モデルを投入した。関係者の1人によると、グーグルも先月下旬、Geminiの学習に用いるデータを更新し、コーディング能力の改善を図ったが、結果は期待外れだった。

グーグルの人気サービスは、一般利用者にとって生成AIへの入り口となっており、回答精度を高めるデータも生み出している。しかし、ある元社員は、全部門の責任者を同じ方向へ動かすことは「大海を煮立たせようとするようなもの」だと話した。

方針が頻繁に変わったり、複数部門で取り組みが重複したりすると、一貫した戦略を維持することはさらに難しくなるという。

グーグルの広報担当者は声明で、「幅広いモデルを迅速に提供するとともに、顧客にとって高い費用対効果を維持している」とコメントした。同社は5月の開発者会議でGemini 3.5 Proを発表すると広く予想されていた。

また、自社モデルの性能や業界に適用すべき安全基準について、米政府と協議を進めていると広報担当者は説明。その上で、「現在、3.5 Proや更新版のFlashモデル、その他のモデルをパートナー企業とテストしているほか、モデルの試験や広範な枠組みについて米政府と建設的な協議を進めている」と述べた。

背景には、米政府がこのところ、最先端AIへの監視を強めていることがある。

原題:Google Gemini Launch Delayed as Tech Falls Short of Goals (2)(抜粋)

--取材協力:Shirin Ghaffary.

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