(ブルームバーグ):半導体の受託生産大手、台湾積体電路製造(TSMC)は16日、今年の設備投資計画を増額するとともに、売上高見通しを引き上げた。半導体やデータセンター向け需要の力強い拡大が2027年にかけても続くとの自信を反映している。
米エヌビディアなどを主要顧客に持つTSMCは、2026年の設備投資計画を600億-640億ドル(約9兆7300億-10兆4000億円)と、従来の520億-560億ドルから引き上げた。また、通年の売上高(ドルベース)の伸び率についても、従来の30%超から40%強へと見通しを上方修正した。
TSMCは、今後3年間にわたって設備投資をさらに拡大する可能性が高いとの見通しを改めて示した。こうした投資の加速は、メタ・プラットフォームズやアルファベットなどの巨大テクノロジー企業がデータセンター建設に必要な半導体や関連機器の調達を今後も積極的に続けるとの見方を裏付けている。
米ハイパースケーラー4社は、今年だけで7250億ドルを超える設備投資を実施する見通しだ。これを受け、TSMCなどの株価は今年に入り、上場来高値を更新していた。
一方で、投資家は株価のバリュエーションの高さに加え、メタや競合各社が将来的な需要を上回る計算能力を構築している可能性があるか見極めようとしている。
黄仁昭最高財務責任者(CFO)は決算説明会で、「AIのメガトレンドに対する当社の確信は極めて強い」と説明。今後3年間の設備投資は過去3年間を大幅に上回るとの見通しを示した。

TSMCの強気な見方は、歴史的なAI投資を支える多くの企業の認識とも一致している。韓国のSKハイニックスは現在、データセンター事業者による積極的な投資を背景に、従来型メモリーとAIシステム向けの広帯域メモリー(HBM)の双方で需要が拡大していることから、メモリーチップの供給不足は2030年以降も続くとの見方を示している。
4-6月の純利益は前年同期比77.4%増の7066億台湾ドル(約3兆5600億円)と、アナリスト予想平均の6237億台湾ドルを上回った。売上高は36%増の1兆2700億台湾ドルだった。
設備投資の増額分の一部は米アリゾナ州に向けられる公算が大きく、TSMCは同州での生産能力増強に総額2650億ドルを充てる方針だ。
アリゾナ州での施設拡張は、米主要顧客への供給体制強化に大きく寄与するとみられる。魏哲家最高経営責任者(CEO)は6月、米国内で生産能力の増強が進んでも、米顧客を中心とする需要には今後数年にわたり応えきれないとの見通しを示していた。
だが、投資家の懸念は根強い。データセンター大手は建設資金を確保するため、借り入れや資本調達を続けている。AI関連投資の相当部分は膨らみ続ける借り入れによって賄われている一方、巨額投資に見合う利益を確実に生み出せる道筋はなお明確ではない。
原題:TSMC Hikes Sales, Spending Outlook to Signal AI ‘Megatrend’ (1)(抜粋)
(黄仁昭CFOのコメントなどを追加し更新します)
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